セダンでもSUVでもない、このカタチが正解か? プジョー「408 GTハイブリッド」

近年のプジョーに詳しい方なら数字3ケタはセダンやハッチバック、クーペなど、一方4ケタはミニバンやSUVという不文律があるのをご存じだろう。これまでのプジョー「408」といえば、背が低いセダンやハッチスタイルだった。ところが6月20日に日本市場にデビューした408 GTハイブリットは、車体がグッとリフトアップされたクロスオーバーモデルだった。

新型408のボディ形状はリアハッチを持つ5ドア。さしずめ5ドア ファストバック クロスオーバーといったところか。プジョーはそれを「解き放たれた新種」と表現している。セダンの品格とクーペの美しさ、そしてSUVの快適性が融合したものだという。

オブセッションブルーという鮮やかなテーマカラーに包まれたボディ表面は複雑な面構成になっており、光の受け方で様々な表情を見せる。サイドシルや車体前後の下縁がブラックアウトされていることもあり、シャープなイメージも兼ね備えている。プジョーらしい精悍なマスクと、左右にライオンの牙のように光るデイタイムランニングライトが特徴だ。

ブラックを基調とした室内は広大で、コクピットは外観と同じく多面的なデザイン。現代プジョーのアイデンティティである小径ステアリングの上からメーターパネルを視認する「i-コクピット」も健在である。シートはフロントはもちろん、リアも足もとスペースを含めて広々としており、大人5人でゆったり乗れる。

リアトランクスペースの容量はシートを起こした状態でガソリンモデルは508リットル、プラグインハイブリッド(PHEV)は454リットルが確保されている。十分なキャパシティがあり、リアゲートが大きく開くハッチバックは、ほどよい車高の高さも手伝って荷物の出し入れがラクになりそう。

パワートレーンはガソリンとPHEVの2種類。ガソリンエンジンは1.2リッター直列3気筒 ターボ、ハイブリッドは1.6リッター直列4気筒ガソリンターボ+駆動用モーターという組み合わせ。どちらも8速ATを備え、前輪を駆動するFF車だ。比較的小さなパワーユニットで大き目のボディを走らせるのは、いかにもフランス車らしい。

最新のモデルらしく、ADAS(先進運転支援システム)等をひと通り標準で装備している。360°カメラやセンサーも備えているので、狭い駐車場で困るようなこともなさそうだ。燃費はWLTCモードでガソリンモデルが16.7km/l、PHEVは17.1km/l。またPHEVはバッテリーのみで最大66km/l走れるという。サイズ感を考えれば優秀な値といえるだろう。

価格はエントリーモデルのプジョー408 Allure(アリュール、受注生産)が429万円(税込)。そしてアリュールと同じく1.2リッターのガソリンエンジンを搭載する408GTが499万円(税込)となっている。 一方408GT HYBRIDは629万円(税込)、また408GT HYBRIDの装備を充実させた限定80台のFirst Editionは669万円(税込)という設定になっている。

Text : Takuo Yoshida

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