双子の見事な“連係プレー”で3回戦へ 成田北/夏の高校野球 千葉大会

双子の見事な“連係プレー”で3回戦へ 成田北/夏の高校野球 千葉大会

 逆転サヨナラで初戦を突破した成田北。7月13日は県総合SC野球場で、犢橋と対戦した。 

 この夏にかける3年生の中で、チバテレ+プラス編集部が注目したのは、一卵性の双子、兄・海保琢磨選手と弟・武蔵選手だ。

 琢磨選手は1番打者のセカンド、武蔵選手は3番打者のセンター。 小学3年生から始めて以降、ずっと琢磨選手が1番で武蔵選手は3~4番を任される機会が多かったという。

 成田北に入部してからも琢磨選手は1年生の時から試合に出続け、武蔵選手も右肩や足首のケガが回復した2年生の夏前頃から、試合に出続けてきた。

 そんな、“海保ツインズ”が魅せたのは、9回表。 

 8回終了時点で4-4と両者一歩も譲らない展開の中、3塁に琢磨選手を置いて、バッター武蔵選手。

 迎えたチャンスの場面、武蔵選手が内野安打を放つと琢磨選手がホームイン。続く3番・武蔵選手も味方のヒットでさらに1点追加。 この回“双子の見事な連係プレー”で2点を取ると、その裏犢橋を0点に抑え、6-4で成田北が試合を制した。

https://twitter.com/03chibatvhsspo/status/1679310869300379649?s=20

 試合後、2人に話を聞くと…

琢磨選手 「兄弟で点数とったっていうのは、チーム全体でも嬉しいが2人としてもすごく嬉しい。自分がプレッシャーを感じる時は楽しむのが1番と思っているので、笑顔を作って臨みました」  

武蔵選手 「兄はいつも重要な場面でしっかり打って、塁出てくれるので頼もしいです。今日は緊張というより、楽しかった。スタンドやベンチでみんな応援してくれているので、それに応えられてよかったです」

 大事な局面で武蔵選手がバッターボックスに入った時には、琢磨選手から武蔵選手に「リラックスしていけよ」という気持ちを込めてアイコンタクト。武蔵選手もそれをしっかり受け取ったという。

琢磨選手 「アイコンタクトをしたり、ほんの少し手を動かしただけでお互いの気持ちが通ずるものがあります。何考えているかわかりますし、ある程度の会話ができますね」

 セカンドとセンターという大事なポジションということもあり、試合中はアイコンタクトをすることが多いという。

 また、試合中、ベンチから声出しをする時にはバッターに対してまったく同じ言葉を同時に言うなど、双子を発揮する場面がこれまでに何度もあったそうだ。

 武蔵選手の「野球をやりたい」という強い気持ちから、小学3年生の時に野球を始めた海保ツインズ。その後、ここまでどんな時もずっと、同じチームで一緒に野球を続けてきた。

 そんな、2人の姿をハラハラ・ドキドキしながら見守るのは父・勝さんと母・直子さんだ。

母・直子さん 「2人で一緒に試合に出てくれること、親としては嬉しいです。緊張もその分2倍ですけどね。1試合でも多く野球をやってほしいです」

父・勝さん 「期待は2倍あるが、その分迷惑かける可能性も2倍ある。親としてはそんな気持ちです。息子たちは良い仲間にも恵まれ、一生懸命頑張っているので最後まで頑張ってもらいたいです」

 実は、父・勝さんも元高校球児。 所属していた佐倉南高校では、1年生の時にベスト32、2年ではベスト8、さらに3年でベスト16と結果を残してきた。

父・勝さん 「息子たちが同じスポーツをやってくれて嬉しいです。ぜひ自分の記録(ベスト8)を超えて欲しいですね。相手がどこであれ、頑張ってもらいたいです」

 2人のバッティング姿を撮影しながら応援していた父・勝さん。 自宅では毎回撮影した試合中の動画をみて「この打席は〇〇だった」などと話し、父から息子たちに対して、バットの振り方や足の踏み出し方などをアドバイスするという。

 そんな父に対し琢磨選手は、「少し頑固な部分もあるけど、アドバイス・サポートしてくれてありがたいです」と話した。

 ちなみに、両親からみた、琢磨選手は「真の通った男らしい性格」「慎重派」。一方の武蔵選手は「誰にでも優しい性格」「怖いもの知らずで、猪突猛進」だという。

母・直子さん 「性格もプレースタイルも違いますが、すごく仲良い。お互いが1番の理解者なんだと思います。色々ありましたけど、“野球を選んでよかった”と思えるように最後まで全うしてほしいです」

琢磨選手 「(ベスト8は)行けると思います」「次は3回戦。相手は強くなってきますが、まだ自分たちの力発揮できていない部分があるので、そこを出せれば良い戦いが出来ると思います。自分たちのチームは打撃がウリなので、もっと打てるようなチームにしていきたいです」

武蔵選手 「今回勝ちましたが、確実にとれるアウトをとれていないという部分もあるので、そこを修正して良い流れを作れるように頑張ります。これから勝ち進んでいく上で、チャンスが少なくなると思いますが、自分のバッティングでチームの勝ちに貢献できるようにします!」

琢磨選手 「双子で活躍しつつ、チームに貢献したいなと思います!」

 言葉にしなくても、お互いの気持ちがわかる2人。“父の記録を超える”という想いを背負いながら、双子の絆で千葉県大会 ベスト8以上を目指す。 

 なお、成田北の次戦は15日、東京学館船橋と対戦します。

© 千葉テレビ放送株式会社