奈良県桜井市立織田小で水難事故防止教室 児童ら浮き方など対処学ぶ

服の中に入れたペットボトルなどで浮かぶ児童=14日、桜井市芝の織田小学校

 奈良県桜井市芝の市立織田小学校(山本敦子校長、児童143人)は14日、校内のプールで水難事故防止教室を行った。水着の上に洋服を着た5、6年生の児童36人が参加し、海や川で溺れた時の対処法などを学んだ。

 児童らの水難事故が増える夏休みを前に、不慮の事故への備えを学ばせようと実施。1学期最後の水泳授業を利用し、海上保安庁大阪海上保安監部の職員4人を講師に招いた。

 講師からの胸を張る、力まないといった説明を聞きながら、児童はバンザイするように手を上げた状態で水面に浮く方法を実践。靴を履くとより浮きやすいことも教わった。

 また、1.5リットルのペットボトルを服の中に入れるとより効果的に大きな浮力が得られるのを確認。講師は「身のまわりのリュックやバケツ、クーラーボックスなどで浮くことを考えて」とアドバイスした。

 さらに溺れていると想定した講師にペットボトルを投げる救助実演も。ペットボトルに少し水を入れ、ロープを結びつけると飛距離が伸び、対象者に届けやすくなることを体験した。

 5年生の岩田彩花さん(10)は「溺れた時にどうすればいいか分かった」、涌田琉聖くん(10)は「溺れた人を救助するのに役立った」とそれぞれ話した。 大阪海上保安監部の眞野義久専門官(50)は「溺れて慌てたり、助けるために泳いで亡くなるケースも多発している。子供だけで遊ばない、大人に助けを求める事などを学んでもらい、水難事故の減少につながれば」と話した。

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