海洋放出「夏頃の方針で政府全体で確認し判断」

 岸田文雄総理は東京電力福島第一原発で日々増え続ける放射性物質により汚染された水のALPS処理水海洋放出の時期について13日までに記者団の問いに「本年春から夏頃と見込むとしてきている方針に変更はない」と答えた。

そのうえで「具体的な放出時期は安全性の確保や風評対策の取組み状況を政府全体で確認した上で判断していきたい」と明示しなかった。

 また韓国大統領との首脳会談でのALPS処理水海洋放出に関してのやり取りに関しては「私の方からIAEA(国際原子力機関)の包括報告書について言及し、日本の総理として海洋放出の安全性に万全を期し、自国及び韓国国民の健康や環境に悪影響を与える放出は行わない旨述べた」と語った。

 また「海洋放出開始後、IAEAによるレビューを受けながら、我が国が行うモニタリング情報を透明性高く迅速に公表する。万一、同モニタリングによって放射性物質の濃度が基準値を超えるなどの問題が生じた場合には直ちに放出を中断することを含め、適切な対応を採ることとしている旨を説明した」と述べた。

 岸田総理は「尹(ユン)大統領からはIAEA包括報告書の内容を尊重するとの発言があった上で、韓国政府の立場の説明があった」と述べたが、伊大統領が放出過程で韓国の専門家を参加させるよう要請があったことには言及しなかった。

 岸田総理は日韓関係について「二国間対話や協力の進展をお互い確認し、関係改善を両国国民が実感できるよう、更に取組んでいくことで一致した」と強調した。(編集担当:森高龍二)

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