野良猫 増やさないために 不妊・去勢後 再び地域へ 糸魚川市のNPO「どうぶつのきもち」

12匹のネコの不妊・去勢手術が行われた

野良猫を増加させないよう捕獲し、不妊・去勢手術を施して地域に戻す「TNR」の活動が11日、糸魚川市青海で行われた。同市のNPO法人「どうぶつのきもち」が主催、獣医師やボランティアが参加、12匹のネコの不妊・去勢手術を行い、元の地域に戻した。

同法人の多田松樹理事長(48)によると、12匹中6割が上越市、小千谷市から運ばれてきた。「しんけん動物病院」(長野市)の松木信賢獣医師が卵巣や精巣の摘出手術を行った。手術を受けたネコは雌が多い。「雌は集団の中にいるため捕獲しやすい。雄はコロニーを往来するため、捕獲されにくい」(松木獣医師)ためだという。

野良猫が増える理由は、多頭飼育の崩壊が大きい。飼い主の高齢化や生活困窮により、ネコの管理が行き届かず外で妊娠するようになる。飼い主が不妊・去勢手術を行う費用が支出できない場合は、毎年のように数が増えていくことになる。

多田理事長が上越動物保護管理センター(上越市)に確認したところ、昨年度は糸魚川市から同センターに運ばれるネコが減少。青海地域の国道8号上で自動車にひかれて死ぬケースも減少傾向にある。多田理事長は同活動に10年取り組んだ成果が現れたことを認めつつも「まだ全市で減少が認められたわけでない。上越市、妙高市、小千谷市からの相談は続いている」と話した。

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