【データで見える最強選手⑥】時代が求めるスピード!「最速王」は誰だ!?

現代のベースボールを語るうえで欠かせないのがデータ。膨大なデータを使えば、あらゆる事実が見えてくる。今回は、現代のベースボールで再び注目されているスピード感に溢れる選手のなかで「最速王」を探る。

今季からMLBでは新ルールが導入されており、試合時間の短縮と並び、スピード(盗塁)も注目されている。その証拠に、MLB全体における盗塁数は前半戦を終えて1,957。シーズン合計では4,000盗塁に迫る勢いで、昨季の2,280盗塁から大幅な増加が予測されている。

そうしたトレンドを上手く掴み、大躍進を続けているのがレッズとレイズ、そしてダイヤモンドバックスだ。それぞれ予想外の躍進で地区首位を快走。盗塁数はレッズが112でMLBトップ、2位がレイズの111、3位はダイヤモンドバックスの93となっている。

そのなかで特に注目されているのが、レッズの脅威の新人エリー・デラクルーズとダイヤモンドバックスのコービン・キャロルだ。

STATCASTには、プレーヤーが1秒間に走った距離を計測した指数「スプリントスピード」がある。本塁打以外の二塁打で、二塁に走者がいない場合、そして、ボテボテの当たりでホームから一塁に走った場合を計測したランキングである。

Sprint Speed TOP10(フィート/秒)
➀エリー・デラクルーズ(CIN)30.5
②ダイロン・ブランコ(KC)30.5
③ババ・トンプソン(TEX)30.4
④トレイ・ターナー(PHI)30.3
⑤ボビー・ウィットJr.(KC)30.3
⑥ジェイク・マッカーシー(AZ)30.1
⑦ホセ・アゾカー(SD)30.1
⑧コービン・キャロル(AZ)30.1
⑨ホルヘ・マテオ(BAL)30.0
⑩ホセ・シリ(TB)29.9

この指標で堂々の1位はデラクルーズの毎秒30.5フィート/秒(約9.30メートル)で、その果敢な走塁で度々ゲームを沸かせている。

「俊足」と言えば、気になるのは盗塁数。現在は16盗塁(失敗2)だが、これはデビューからわずか33試合での記録である。ナ・リーグにおける現在の盗塁数1位はブレーブスのロナルド・アクーニャJr.の43盗塁だが、アクーニャJr.の出場試合数は85試合なので、今後デラクルーズがどこまで追い上げるか楽しみだ。

そして、好調のダイヤモンドバックスを牽引するのが、オールスター・ゲームにも選出されたルーキーのキャロルだ。

スプリントスピードはMLB8位の毎秒30.1フィート/秒(約9.17メートル)を誇り、盗塁数はMLB5位の26盗塁ながら失敗はわずかに3つ。長髪をなびかせながら快走するキャロルのプレーも必見だ。

後半戦もスピードスターたちが魅せるダイナミックなプレーに注目だ。

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