売り上げ1000万見込む「小水力発電所」 再生可能エネの活用へ 4月稼働の施設で見学会/岡山・津山市

岡山県津山市阿波の落合渓谷金山橋付近で今年4月に稼働した「あば村小水力発電所」の見学会が17日、同発電所で開かれ、谷口圭三市長ら関係者20人が参加し、再生可能エネルギーの活用について理解を深めた。

同発電所は、管理運営を行う「合同会社あば村」が農水省の「農山漁村活性化再生可能エネルギー総合推進事業」の採択を受けて2014年から約4年かけて調査を行い、建設した。水量を感知して電力量を調整するなど自動で管理できる発電機を備え、内部情報は遠方にあるパソコンでも確認できる。建設費や整備費などを合わせて費用は約1億1000万円。

阿波森林公園の奥地標高630メートル地点の加茂川支流・落合川を取水口とし、落差約78.7メートルを流れ落ちる水の力により平均36.7キロワット(最大49.9キロワット)の電気を出力し、中国電力に売電している。年間総発電量は約31万5000キロワットで年間売り上げ約1070万円を見込んでいる。

同社の石原楠三代表は「高齢者や人口減少が進行している地域の環境を良くすることを目的としている。将来はその収益を地域に還元していきたい」とあいさつ。谷口市長は「環境に配慮した上で地域を元気にしていこうというみなさんの強い気持ちと取り組みが、他の地域のモデルとなり、地域振興と脱炭素社会の実現へとはずみをつけていくはず」と祝いの言葉を述べた。

発電所内部の様子

小石や砂を除くろ過装置を備えた取水口付近

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