【高校野球神奈川大会】「待ち望んだ決勝」慶応・延末選手の兄で横浜OB勧太さん

慶応・延末選手の兄・勧太さんは、弟と自身の母校の後輩たちにエールを送る=日体大健志台野球場

 高校野球の第105回全国選手権記念神奈川大会は26日に決勝を迎える。昨秋の県大会を制した横浜と今春に優勝した慶応がぶつかる大一番を心待ちにしているのが、慶応の延末藍太選手(3年)の2学年上の兄で、横浜高OBでもある勧太さん(20)=日体大2年=だ。「決勝がこのカードになればと待ち望んでいた」。弟に、そして後輩たちに熱視線を送る。

 勧太さんは2019年に横浜高に入学。2年秋には主将も任され、3年夏に甲子園出場を果たした。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、入学してから本来の聖地を知らなかった世代。横浜高での選手時代に全国準優勝を経験した村田浩明監督(37)からは「人生を変えてくれる場所だぞ」と20年4月の就任後から聞かされたが、当初は半信半疑だったという。

 「信じてやってきてよかった」。勧太さんが甲子園で試合に出たのは現チームの緒方漣主将が、逆転サヨナラ3ランを放った1回戦の1打席のみ。それでも、家族や周囲で支えてくれた人たちの喜ぶ顔を見て、指揮官の真意を理解した。

 延末家は仲の良い3兄弟。広島県出身ということもあり、当時は3人そろってプロ野球を見にマツダスタジアムへ足を運んだ。勧太さんが小学3年の時に家族で東京に引っ越し、本格的に野球を始めた。小学1年の延末選手も同じ少年野球チームに入団した。

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