茨城・つくば市 人口増加率 全国一の2.30% TX沿線で活況

つくば市の人口増加率

茨城県つくば市は25日、総務省の人口動態調査に基づく人口増加率(1月1日時点)が2.30%で、初めて全国1位になったと発表した。市は、つくばエクスプレス(TX)の駅周辺での子育て世帯の増加とともに、コロナ禍で控えられていた国外からの転入が再び活性化したことが要因とみている。

市によると、住民基本台帳に基づく市人口(同日時点)は25万2202人で、前年同期から2.30%増えた。全国市区部の人口増加率順位で2020年以降、9位、4位、2位と上昇を続け、今回1位となった。

2位は千葉県印西市で2.16%、3位はTX沿線の同県流山市で1.90%。4位から10位は全て東京23区内だった。

つくば市は1987年に4町村合併で誕生。筑波研究学園都市として開発が進み、合併時の人口約11万人から増加を続けている。その後、筑波町、茎崎町を編入合併。2005年にはTXの開業で都心と直結し、沿線開発が進み、東京のベッドタウンとしても発展してきた。

地区別の人口は大穂、豊里、茎崎、筑波の各地区は横ばい・減少傾向の一方、TX沿線の谷田部、桜の両地区は増加基調が続く。

外国人は計145カ国の約1万1700人で、全体の5%弱。市はコロナ禍で控えられていた外国人の転入が再び活性化したとしている。

同市の転入から転出を引いた「社会増」は近年、数千人台で拡大を続ける。県発表の6月1日時点の県人口では、県内で最も多い水戸市が約26万8400人、つくば市が約25万5000人で約1万3千人余りまで接近している。

人口が増え続けるつくば市の住環境について、つくば不動産研究所(同市)の外山茂樹不動産鑑定士は「宅地やマンションの分譲が多い上、教育や商業、医療の利便性が高い。一方で東京や千葉に比べ不動産価格は割安」と分析。「人口は当面増え、いずれ県都の水戸市を逆転するのではないか」との見通しを示す。

つくば市の五十嵐立青市長は「選ばれるまちとなっていることが数字で示されており、意義あること。ランキングに一喜一憂せず、持続可能で包摂的な都市を市民とつくる努力を続ける」とコメントを出した。

★人口動態調査

総務省が市区町村の住民基本台帳を基に、出生や死亡、転出入による人口の動きを分析する。1968年から毎年実施し、2013年から日本に住む外国人も対象に加えた。就職や転勤、進学による転居が多い3月末時点を避け、1月1日時点で集計している。人口に関する調査はほかに、5年ごとの国勢調査や、厚生労働省がまとめる人口動態統計などがある。

© 株式会社茨城新聞社