人の流れつくり「歩きたくなるまち」へ 佐世保市など 夜店公園でイベント実施

公共空間を活用して2020年に実施した夜直しパーティー=佐世保市下京町(佐世保市提供)

 佐世保市は、道路や公園などの公共空間を活用して、にぎわいの創出に民間団体などと取り組む。キーワードは「居心地よく歩きたくなるまち」。本年度は公共空間を使ってイベントを実施し、人の流れがどう変化するか調べる。
 国土交通省が進める「ウォーカブル事業」の一環で、車中心から人中心へと転換したまちづくりが目標。全国では道路を使ったオープンカフェや、民間敷地の一部を広場化するなどの事例がある。
 市によると、市中心部のアーケードは年々人通りが減少し、空き店舗や空き地が増えている。市が2021年度に実施したアンケートで、アーケードからJR佐世保駅までの一帯にかけて「歩いて巡りたくなるか」「特に用事がなくても行きたくなるか」を尋ねたところ、8割超が「思わない」と回答。魅力不足が浮き彫りになったという。
 市都市政策課は「人が集まる仕掛けが必要」とし、本年度から27年度までの5年計画で段階的に着手する。事業対象は市中心部に近い下京町の夜店公園通り周辺。アーケードと港側を結ぶ地点に位置し「にぎわいをもたらすことが大事」と同課。夜店公園を含めた公共の場をイベント空間にして人が集まれば、周辺の店に向かう人が増えると波及効果に期待する。
 本年度は飲食店や子育て団体、市街地活性化に取り組む「させぼラボ」など民間団体と連携してイベントを企画。AIカメラを使って人の流れを調べる。最終的には、夜店公園のリニューアルなどハード整備も見据える。民間のアイデアを踏まえながらエリアの価値を高め、周辺地域の再生につなげていく。

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