認知症治療どう変わる?アルツハイマー病新薬「レカネマブ」テーマ、作家下山進さんら講演・新潟市中央区

アルツハイマー病の新薬について理解を深めた講演会=7月29日、新潟市中央区

 7月6日に米国で本承認され、国内でも承認が待たれるアルツハイマー病新薬「レカネマブ」をテーマにした講演会が7月29日、新潟市中央区の新潟日報メディアシップで開かれた。「アルツハイマー征服」の著者で知られる下山進さんと、新潟大脳研究所教授の池内健さんが講演し、認知症治療の歩みや新薬誕生の意義について語った。

 新潟県民の健康づくりを応援する新潟日報社の企画「にいがた元気プラス」の一環で、約100人が参加した。

 下山さんは国内外の認知症研究者らへの取材経験を基に、新薬誕生までの経緯を紹介。「遺伝性アルツハイマー病家系の人たちの研究への貢献を忘れてはならない」と強調した。

 池内さんは新薬で「自立して生活できる期間を延長できる可能性がある」と期待し、「今までとは異なる治療体制の整備など、着実な準備が必要になる」と指摘した。

 新薬の課題などについて意見交換したり、参加者からの質問に答えたりする2人の対談もあった。

 新潟市中央区の主婦(76)は「今後の認知症治療の方向性が見え、期待が持てた。帰ったら家族にも講演の話をしようと思う」と話した。

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