"白の造形美" 益子陶芸美術館で現代日本を代表する陶芸家・和田的さんの作品展

 現代日本を代表する陶芸家・和田的さんの作品を集めた企画展が、益子町の益子陶芸美術館で開かれています。

 直線と曲線、そして光と影。相反する性質が合わさることで無機質でありながらどこか温かさも感じさせます。この企画展は、益子陶芸美術館がオープンして30周年を記念して開いたもので千葉県出身で、現代日本を代表する陶芸家・和田的さんの初期から現在までの合わせて108点の作品が展示されています。

 和田さんの作品は白を基調とするものがほとんどで、初期の作品では、白い粘土に無色の釉薬を使っていましたが、より、線の見え方を際立たせるため、釉薬をかけない製法に変わっていきます。

 美しい模様は、ナイフなどで形を彫ったり削り出すことで生まれ、見る角度によって違った表情を見せてくれます。こちらの作品は、2011年の東日本大震災により落ち込んだ気持ちを元気づけようと今までにない曲線のものを作ったといい、果物の水指が遊び心を感じさせてくれます。和田さんは、陶芸以外の造形作品も手がけていて幅広い才能の一端に触れることができます。

 この企画展は、10月9日まで開かれていて、8月5日は、和田さんの講演会が行われます。

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