岸田政権 北ミサイルに緊張感足りず 元総理

 野田佳彦元総理は31日、北朝鮮が頻発に弾道ミサイルを発射している状況の中で、岸田内閣の閣僚、自民党の有力幹部がこの夏、外遊三昧だとして「緊張感が足りない」「総理自身も危機感欠如」とブログで指摘し、憂慮した。

 野田氏は自身が総理だったおり、2012年に2回弾道ミサイルを発射したとし「そのたびに各府省の大臣、副大臣、政務官の政務3役には禁足(一定の場所から外へ出るのを禁止)を指示した。ところが今夏、岸田政権の閣僚や党の有力幹部は外遊三昧。緊張感が足りません」と発信した。

 野田氏は「6月の通常国会会期末に自ら解散風を吹かそうとした。北朝鮮による弾道ミサイル発射に備えて『破壊措置命令』を延長し迎撃態勢をとっている時に、総理は政治空白をつくろうとしていた。国民の生命と財産を守ることよりも明らかに政局を優先していた。24万人の自衛隊の最高指揮官として失格」と断じた。

 野田氏は「官邸の危機管理を巡っては2001年の森喜朗政権時代に起きた『えひめ丸事故』以来、選挙中でも総理か官房長官のどちらかが都内に待機するのが慣例だった。第2次安倍政権の頃から少しずつ慣例を破る傾向があったが、岸田政権は明らかに危機管理より政局を優先している。発射頻度を増やせば増やすほど偶発的な事故が起きる可能性が高まる。慣れは禁物」と苦言を呈している。(編集担当:森高龍二)

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