医療的ケア児と保護者の現状知って 藤沢で写真70点展示 トークイベントも予定

作品を出展した山本さん(右から)と市肢体不自由児者父母の会の島村会長、富永さん=藤沢市民ギャラリー

 写真家で医療的ケアが必要な子どもの母親でもある山本美里さんの写真展「透明人間 Invisible(インビジブル) mom(マム)」が1日、藤沢市民ギャラリー(ODAKYU湘南GATE6階)で始まった。医療的ケア児と保護者の今をテーマにした作品70点を展示。入場無料、6日まで。

 山本さんの次男は重度の障害があり特別支援学校に通学。学校の看護師業務に含まれない医療的ケアが必要で、山本さんが付き添いながら学校生活を送っている。

 「教室で保護者はなるべく存在感を出さないよう求められ、給食も出ない」。タイトル「透明人間」には、校内で保護者が置かれた状況を重ね合わせた。障害児者の保護者をはじめ広く共感が広がり、全国で作品展を開催している。

 同市内での開催は今回が初めて。山本さんの作品に強く引き付けられた同市肢体不自由児者父母の会の富永良子さんを中心に、医療的ケア児と保護者の付き添いの現状を知ってもらう契機にしようと企画した。

 会場でひときわ目を引く代表作は19世紀の肖像写真がモチーフ。当時は露光に時間を要したため、子どもが動かないよう背後で布をかぶって気配を消して抱きかかえている母親を表現している。

 同会会員が撮影した日常の風景30点なども展示。島村孝子会長は「藤沢湘南で暮らす障害児者と家族たちについて知り、皆さんの心にそれぞれのお土産を持って帰ってもらえれば」と話している。
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 山本さんと同会会員によるトークイベントが5日午後2時から、同市役所分庁舎で開催。定員はライブ50人、オンライン200人。参加申し込みは、オンラインが電子申請(e-kanagawa)、ライブはNico’s Kitchen電話0466(90)3494、または藤沢市肢体不自由児者父母の会(asukafujisawa1961@gmail.com)まで申し込む。

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