【MLB】「天才」タティスJr.が通算100本塁打到達 史上4番目の早さ

日本時間8月3日(現地2日)、パドレスのフェルナンド・タティスJr.がロッキーズ戦に「2番・右翼」で先発出場。9回表にダニエル・バードから第19号ホームランを放ち、通算100本塁打に到達した。

【動画】パドレス・タティスJr.が通算100本塁打到達!

タティスはこれがメジャー通算362試合目の出場。タティスより少ない出場試合数で100本塁打を達成したのはライアン・ハワード(元フィリーズほか、325試合)、ピート・アロンソ(メッツ、347試合)、ゲイリー・サンチェス(パドレス、355試合)だけ。これまでにも規格外の身体能力を生かしたプレーでファンを沸かせてきたタティスだが、また1つすばらしい記録を打ち立てて見せた。

なお、試合数という観点で見るとMLB史上でも屈指のスピード達成となったタティスJr.だが、年齢で見るとそうでもない。タティスは現在24歳と7ヶ月だが、24歳になる前に100本塁打を達成した選手はMLB史上で20人以上いる。ちなみにもっとも早かったのはメル・オット(元ジャイアンツ)の22歳132日で、現役の選手ではミゲル・カブレラ(タイガース)、ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)、ブライス・ハーパー(フィリーズ)、マイク・トラウト(エンゼルス)、ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)らが達成している。

このような逆転現象が起こる理由として一般的に考えられるのがプロ入りの遅さやメジャー昇格の遅さだが、タティスJr.にこれは当てはまらない。タティスJr.のメジャーデビューは20歳の時だからカブレラやスタントンと同じ。出場試合数を考えれば、もっと若い頃に達成していても何らおかしくはない。

それにもかかわらずタティスの達成が遅れたのは、彼の離脱の多さや不運が影響している。メジャー1年目の2019年は故障で84試合の出場にとどまり、2年目の2020年は新型コロナの影響による短縮シーズン。3年目の2021年こそ離脱を挟みながら130試合に出場したものの、4年目の昨季は故障と薬物使用による出場停止でシーズンを棒に振った。チームは2021年の後半からタティスJr.を遊撃から外野にコンバートしたが、これには少しでも故障離脱を減らしてほしいという意図があった。チームとしても2034年までの超長期契約を結んだチームの顔に、1試合でも多く出場してほしいと考えているのだ。

その甲斐あってか、今季のタティスJr.はここまで106試合中88試合に出場し、打率.270、18本塁打を記録。外野守備にも適応し、すでにゴールドグラブ賞候補として名前があがっている。シーズン前の下馬評に反して地区4位に沈むチームの中で、安定した貢献を残し続けているのだ。そんなタティスJr.にとって、通算100本塁打は単なる通過点に過ぎないだろう。いったい彼はこれから何本のホームランを打つだろうか?

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