神奈川の観光客数、前年比4割増 2022年、コロナ禍前の8割に回復

観光客らでにぎわう鎌倉市の「小町通り」(資料写真)

 2022年に神奈川県内を訪れた観光客数は前年比4割(4681万人)増の1億6406万人で、新型コロナウイルス禍前の19年のおよそ8割まで回復したことが3日、県の調査で分かった。オミクロン株が主流となり、重症化率が低下。イベントの再開や水際対策の段階的な緩和などで、観光需要の回復が進んだ。

 県によると、内訳は日帰り客が前年比40.3%増の約1億4963万人、宿泊客が同36.5%増の約1442万人だった。

 22年は年初からオミクロン株が流行。県内では1月下旬から2カ月にわたり、まん延防止等重点措置が適用された。ただ、緊急事態宣言や同措置がおおむね断続的に適用された21年に比べ、行動制限は限定的だった。

 重症化率や致死率の低下、ワクチン接種の進捗(しんちょく)などを受け、県内各地で観光イベントが再開。4月以降は観光需要喚起策が展開され、6月以降は水際対策の段階的緩和で消失していたインバウンド(訪日客)需要も回復に向かった。

 県観光課は「20、21年と続いたコロナ禍の影響が限定的となり、22年は全ての月で前年を上回るなど、需要の回復がみられた」としている。

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