【MLB】ドラフトとトレード期限でマイナーを充実させたチームは?

写真:トレードでレンジャーズへ移籍したマックス・シャーザー

ドラフトからトレード期限にかけての1ヶ月、各チームはスタメンやベンチ入り選手だけでなく、マイナーリーグの様子もがらりとかわることが多い。それはよい方向の時もあるし、よくない方向の時もある。今年はどのチームが最もマイナーリーグを充実させただろうか。

この問いの答えとして、おそらく最もふさわしいのはホワイトソックスとメッツだ。両チームは今シーズンをあきらめ多くの主力を放出し、対価として多くの有望な若手を獲得した。ただ、よく見ると両チームの動きには少し違いがあるようだ。

ホワイトソックスはルーカス・ジオリトをエンゼルスへ放出したのを皮切りに、ランス・リンやジェイク・バーガーといった投打の主力を次々に放出。その対価として獲得した若手のうち、10人はチームのプロスペクトランキングで30位以内と評価されている。数年前にはルイス・ロバートJr.やエロイ・ヒメネスなど大量のプロスペクトを抱えこみ常勝チーム化が期待されたホワイトソックスだが、期待されたほどの結果は残せず、チームを解体することになってしまった。次こそは成功させるべく、マイナーリーグの充実化を進めている。

一方のメッツは超大型契約で獲得したジャスティン・バーランダーやマックス・シャーザーらベテラン2枚看板など、こちらも多くの主力選手を放出した。ただ、これまでにあった多くの主力放出と違うのは、メッツは主力の放出と同時にチーム財政の改善にはあまりこだわらなかった点だ。

通常、トレード期限で主力を放出するチームは相手チームに年俸の負担を求めることが多い。財政の改善を行うためだ。こういった場合、高年俸の選手であればあるほど得られる見返りは小さくなることが多い。しかし、メッツは放出する主力の年俸の多くを負担。見返りとしてルイスアンヘル・アクーニャ(ロナルド・アクーニャJr.の弟)やドリュー・ジョーンズといった、より優秀なプロスペクトを獲得した。

今季開幕前に規格外の大補強を行い、大富豪オーナーであるスティーブ・コーエンオーナーの資金力を他チームに見せつけたメッツ。このトレード期限での動きはオフの動きに比べれば華々しいものではなかったが、その立ち回りは圧倒的な資金力を改めて感じさせるものだった。

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