ヒロシマで平和学ぶ 中学生 平和記念式典に参列へ  

市内の中学生や市民が折った鶴の束を託される中学生代表

上越市内にある全中学校の生徒代表24人が6日、広島市で行われる平和記念式典に参列する。式典後は被爆者援護会が主催する慰霊式、被爆者が水を求めて集まった元安川での灯籠流しに参加する予定。

◇上越市 5年ぶり全校から

平和記念式典に全中学校の生徒が参列するのは2018年以来5年ぶり。19、22年は行財政改革の一環で参加者を8人に絞った。20、21年は新型コロナウイルスの影響で派遣を見送った。

5日、上越妙高駅で出発式が行われた。県立直江津中等教育学校3年の熊谷和起君は「しっかりと自分で見て、聞いて、感じて、学んで帰ってくる」とあいさつ。市内中学生や市民が作った折り鶴の束が、同市立潮陵中3年の池田和葵君に託された。

第2次世界大戦の記憶の継承は、体験者世代の高齢化と減少で困難になりつつある。早川義裕教育長は「しかし、(ロシアのウクライナ侵攻をはじめ)昨今の情勢は人ごとではない。広島で平和への強い思いを感じてきてほしい」と激励した。

◇糸魚川市 2年生10人派遣

糸魚川市は5日から7日までの日程で、市内中学生の広島派遣を実施している。市内4校を代表して2年生10人が派遣され、6日に広島市で行われる平和記念式典に参列する。

戦争の悲惨さ、平和の尊さを次世代に伝える目的で平成24年度から実施している研修。式典参列のほか、被爆体験者からの講話受講、平和記念公園見学、灯籠流し参加などを経て、17日に糸魚川市役所で報告会を行う。

5日に糸魚川駅自由通路で行った出発式では、現地で献納するために各校で作った千羽鶴を、派遣される生徒に託した。代表して決意表明した能生中の阿部凛平君は「この機会に、しっかりと学んできたい」などと抱負を述べた。

出発式は保護者や学校関係者らも見守る中で行われ、能生中の阿部君(中央)が代表して決意表明した

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