8月5試合のうち出場は2試合だけ カブス・鈴木誠也の現状は?

鈴木誠也(カブス)の出場機会が減少している。日本時間8月6日、カブスは今季メジャー最多の70勝を挙げているブレーブスを8対6で破ったが、鈴木はスタメンを外れ、最後まで出場機会がなかった。現地8月に入ってからの5試合のうち、鈴木が出場したのは2試合だけ。いずれも相手先発投手が左腕の試合である。デービッド・ロス監督が明言したわけではないものの、従来の「相手投手の左右に関係ないレギュラー起用」から「相手投手が左腕時のプラトーン起用」に格下げされたことは間違いない。現在、鈴木が置かれている状況を分析する。

トレード期限前日の日本時間8月1日、カブスはナショナルズとのトレードでジャイマー・キャンデラリオを獲得したが、これが鈴木の立場に大きな影響を与えることになった。キャンデラリオ加入後の5試合を見てみると、対右腕時(3試合)は一塁キャンデラリオ、三塁ニック・マドリガル、左翼イアン・ハップ、中堅コディ・ベリンジャー、右翼マイク・トークマン、対左腕時(2試合)は一塁パトリック・ウィズダム、三塁キャンデラリオ、左翼ハップ、中堅ベリンジャー、右翼・鈴木という布陣。また、5試合中4試合でDHにはクリストファー・モレルが入っている(残りの1試合はヤン・ゴームス)。

これらの起用法から推測できるのは、6月や7月には一塁に入る機会も多かったベリンジャーが中堅に固定されたこと、ハップとベリンジャーはそれぞれ左翼と中堅の不動のレギュラーであること、キャンデラリオも一塁と三塁を兼任しながらレギュラーとして起用されていること、そして相手投手の左右に応じてウィズダム、マドリガル、鈴木の3人が出場機会を得ているということだ。

鈴木は右翼で左打者のトークマンと併用されているが、トークマンの今季成績を見てみると、対右腕は167打数で打率.275、5本塁打、OPS.798、対左腕は35打数しかないものの、打率.286、1本塁打、OPS.819と悪くない数字を残している。一方の鈴木は対右腕が234打数で打率.244、7本塁打、OPS.720、対左腕が103打数で打率.262、2本塁打、OPS.710となっており、左腕を得意にしているというわけではない。このままトークマンが対左腕時にもある程度の結果を残し続ければ、さらに鈴木の出場機会が減少することも考えられる。

鈴木は今季が5年8500万ドルの大型契約の2年目。昨季は年俸700万ドルだったが、今季は1700万ドルと大幅にアップしている。ところが、5月こそ打率.319、5本塁打、OPS.977と好調だったものの、6月に打率.177、0本塁打、OPS.475と失速し、それ以降もなかなか調子が上がらない状況が続く。それでもカブスは鈴木を上位打線に置き、我慢強く起用し続けてきたが、プレーオフ進出に向けた大事な試合が続くなかで、低調な鈴木を使い続けるわけにはいかなくなったのだろう。今後は限られた出場機会のなかで結果を求められる厳しい立場となるが、鈴木はチームの信頼を取り戻すことができるだろうか。

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