【レビュー】加熱式タバコ『プルーム・エックスの要点』JT謹製・国産の王道コンサバ・デバイス!

燃焼させずにニオイを低減した、近年スタンダードになりつつある加熱式タバコ。現在国内展開されているのは主に3種類。PMJの「アイコス(・イルマ)」、BATJの「グロー(・ハイパー)」、そして今回レビューする JT(日本たばこ産業) による 『プルーム・エックス』 である。その要点をヘビースモーカーの筆者がまとめてみた。

加熱式たばこの大前提。火を使わないから引火しない、寝タバコでも安全/持続可能な喫煙環境へ

加熱式たばこは、一般の紙巻きタバコのようにタバコ葉を燃やさずに、高温で加熱することでニコチンを揮発させて吸入するタバコデバイスだ。そのメリットには、ニオイをまき散らしにくい、壁にヤニがつかない、服にニオイが付きにくい、タール値が9割方削減できるなどがある。

(写真左)「プルーム・エックス・スターターキット・ディープスカイブルー」(約43.5mm×約88.5mm×約24.0mm/約95g・税込1,980円・2023年4月発売※全国のコンビニエンスストア及びたばこ販売店にて発売中)。(写真右)「プルーム・エックス・スターターキット・ラベンダー」(同・税込1,980円・2023年7月25日よりCLUB JT オンラインショップ及び全国の Ploom Shop 等にて順次発売)

一方でデメリットには、紙巻きタバコとは味が違う、吸い応えが弱い、充電が面倒くさい、故障すると吸えないなどがある。

ただ紙巻きタバコと加熱式タバコを比べたとき、「火を使わない安全性」はとても重要だ。消防庁「令和3年版消防白書」によれば、未だに火災の原因のトップをマークしているのがタバコ(2位たき火、3位コンロ)である。自身、家族、周囲近隣の安全を守ることにつながるのだ。

『プルーム・エックス(Ploom X)』のど真ん中な立ち位置とは?

ブームに火をつけたフィリップ モリス ジャパン(PMJ)の「アイコス(・イルマ)」、手軽な価格帯のブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATJ)の「グロー(・ハイパー)」に対して、ど真ん中を行くのが、 JT『プルーム・エックス(Ploom X)』(税込1,980円・発売中) だ。

手のひらに収まりやすいエルゴノミクスデザイン

まず、デバイス価格はPMJ「アイコス・イルマ・ワン」が税込3,980円で、BAT「グロー・ハイパー・プラス」が税込980円に対して、『プルーム・エックス』は税込1,980円と中間。

ボタンはないが、本体中央部を長押しするとLEDが点灯して、起動する

専用スティックの最低価格も「アイコス・イルマ」用スマートコアスティック「センティア」が税込530円で、「グロー・ハイパー」専用スティック「ケント・ネオスティック」「ラッキーストライク」が税込450円なのに対して、『プルーム・エックス』専用たばこスティックは「メビウス」「キャメル」ともに税込500円だ。

喫味も、「アイコス・イルマ」が平均して一番キツめで、「グロー・ハイパー」はカプセルタイプの激辛メンソールなど攻撃性の高さがポイントだが、『プルーム・エックス』専用たばこスティックは良い意味で、激しすぎない喫味が特徴だ。中でも紙巻きタバコで日本のホワイトカラーの定番として人気を集めてきた「マイルドセブン」を源流に持つ「メビウス」の味わいは、紙巻きタバコとはニュアンスが違うが、タバコ葉の旨味に焦点を当てた、王道の味仕立てになっている。

『プルーム・エックス』はどんなタバコデバイスなのか味わい方 〜加熱式タバコの吸い方のコツ

『プルーム・エックス』の使い方は、タバコ葉を仕込んだ専用タバコスティックを、本体に差し込み、本体中央を長押しすることで加熱をスタートさせ、バイブで震えたら、おもむろに吸い込む。ひと吸い目は熱い蒸気が出てくるので、舌をやけどしないように注意が必要だ。

喫煙時間は約5分(吸い込み回数無制限)。「アイコス・イルマ」は約6分(もしくは14回)で、「グロー・ハイパー」が約4分(ブースト時3分)と考えると。これまた真ん中の位置づけだ。

『プルーム・エックス』の構造は、加熱温度をコントロールしながら、空気の流れを制御する加熱技術「HEATFLOW(ヒートフロー)」を搭載することで、タバコのニオイを抑えつつ、確かな吸い応えを出すという、周囲への配慮を入れ込んでいるのが特徴だ。

『プルーム・エックス』の吸い応えを高める方法 〜加熱式タバコの吸い方のコツ

紙巻きタバコから加熱式タバコへスイッチしたとき、感じる違和感はその白くモクモクしたものが、煙から上記に変わっていることである。その蒸気の白さは食品添加物としても使われるグリセリン類である。

基本的に紙巻きタバコ同様に吸えば味わえるようになっているが、おいしく味わうにはちょっとしたコツがある。紙巻きの時よりは、蒸気の加熱が間に合うようにゆっくりめに吸い、しっかり蒸気を舌の上にため込んでから、一気に吸う。紙巻きタバコで言うところの、タール値の高い銘柄の吸い方「クールスモーキング」方式が、加熱式タバコの味わいをグンと高めるのだ。

取り外し(交換)可能なカバーは、はずすと起動できなくなる。チャイルドロック的な使用が可能だ

『プルーム・エックス』の要点

『プルーム・エックス』は、加熱式タバコのコンサバ・タイプ。むやみに冒険することなく、周囲に配慮しながら、しっかりタバコ葉の旨味を楽しむのに適したデバイスだ。源流の「プルーム・エス」を経て完全体に近い形に進化を遂げ、専用たばこスティックもアップデートを経て、質実剛健さを高めた味わいに進化している。

タバコの味に対しては保守的で、シンプルなおいしさを堪能したいなら『プルーム・エックス』は有力候補だと思う。

吸うなら、これ 〜まずはここからの特選たばこスティック

王道なタバコ味を楽しむなら、値下げにより値頃感をアップさせた「メビウス」がおすすめだ。

●レギュラー:「メビウス・スムース・レギュラー」(20本入・税込500円/写真左)

他に、芳醇でコクのある深い味わいだが、ロースト感で好き嫌いが分かれる「メビウス・ディープ・レギュラー」もあるが、最初に選ぶなら「メビウス・スムース・レギュラー」が最適。クセが少なく、シンプルなタバコ葉のおいしさを素直に味わえるからだ。

●メンソール:「メビウス・コールド・メンソール」(20本入・税込500円/写真中央)

加熱式タバコの場合、メンソール強度は高めになる傾向がある。突き抜ける強冷メンソール「メビウス・シャープ・コールド・メンソール」も人気だが、入門編としてはちょうどいい冷感メンソール感とタバコ葉の旨味をバランスした「メビウス・コールド・メンソール」がおいしく感じやすい。

●フレーバーメンソール:「メビウス・パープル・オプション」(20本入・税込500円/写真右)

近年ブームのベリー系メンソール・タイプ。ともするとケミカルな製品も少なくないが、この「メビウス・パープル・オプション」は安定した品の良い紫色のぶどう系フレーバーが心地よい。フィルター部分にカプセルも内蔵しているので、より濃い味に味変することも可能な二刀流タイプ。

入手は全国のタバコ取扱店やオンラインショップで可能だ。

[タバコは20歳になってから]

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