干ばつ被害田を視察 県議と上越市議有志 行政へ橋渡しも 牧・安塚区

水稲が枯れてしまった水田を視察する楡井議長(左から2人目、安塚区坊金)

楡井辰雄県議会議長と斎京四郎県議、自民・公明の上越市議有志が17日、干ばつ被害を受けている牧区、安塚区の天水田(かんがいを雪解け水や雨水にのみ頼っている水田)を視察し、生産者から話を聞いた。楡井議長らは生産者から要望のあった、用水の取水口をふさぐ土砂の撤去や深いひび割れが起きた水田の復旧など、具体的な問題について県、市の職員に橋渡しした。

牧区東松ノ木の水田は一部でコシヒカリの枯死が始まっている。一行はからからに乾いた田の中へ入り、水稲の生育状況やひび割れの深さを確認。生産者は「用水路周辺をふさいでいる土砂を一刻も早く撤去し、わずかでも水田に水を引き込みたい」と要望した。

安塚区坊金ではさらに被害が深刻だ。雨が降らず、引き込む水もないため7月下旬から水稲が枯れ始め、水田1枚当たり3分の2程度が枯れてしまった。実が入っていない穂も見受けられた。生産者は「このままいくと、今年水田から得られる収入はほとんどない」と話す。

今後適度な降雨が続き収穫期を迎えたとしても、すでに枯死したり実が入らなかった穂の被害は免れない。楡井議長は「この段階で最も危ぐされるのは、稲作の将来性を悲観し離農する人が多く出ることだ。そのための対策をしっかりとやっていかなければならないし、県と国に伝えていく」とした。

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