カイセドほろ苦デビューのチェルシーが今季初黒星…10人ハマーズにエンソPK失敗も響いて屈す【プレミアリーグ

[写真:Getty Images]

プレミアリーグ第2節、ウェストハムvsチェルシーが20日にロンドン・スタジアムで行われ、ホームのウェストハムが3-1で勝利した。

ポチェッティーノ新体制の初陣となったリバプールとの開幕戦を1-1のドローで終えたチェルシー。ホーム開幕戦で白星を逃し、新キャプテンのリース・ジェームズの負傷離脱は痛手となったものの、強豪相手に見せた好パフォーマンスはポジティブな印象を残した。さらに、今週に入ってカイセド、ラヴィアと手薄な中盤に若き実力者を確保。さらに、今後に向けた期待感を抱かせることに。

ウェストハムとのアウェイ開催のロンドン・ダービーに向けては先発1人を変更。前述のジェームズに代えてグストを初先発で起用。注目のカイセドはベンチスタートとなった。

激戦必至のロンドン・ダービーはアウェイのチェルシーが押し気味な入りを見せるが、先にゴールをこじ開けたのはホームチーム。7分、右CKの場面で新天地デビューとなった名手ウォード=プラウズが正確な右足アウトスウィングのクロスを入れると、アゲルドが打点の高いヘディングでゴール左隅に流し込んだ。

2試合連続で先制を許す入りとなったチェルシーは、直後に背後へ抜け出したジャクソンがGKアレオラと交錯。PK獲得かに思われたが、これは惜しくもオフサイドの判定に。

以降しばらくは一進一退の攻防が続いたが、20分を過ぎた辺りからチェルシーが押し込む展開に。ジャクソンやスターリングのスピードを生かした背後へのシンプルな仕掛けに加え、中央で細かくボールを動かしながらウイングバックや3バックの脇の選手の攻撃参加を使ったサイドからの分厚い攻めで揺さぶりをかけ続ける。

そして、幾度かボックス内で際どいシーンを作り出すと、28分には波状攻撃からボックス左でルーズボールを収めたチュクエメカが鋭いカットインから豪快な右足のシュートをゴールネットに突き刺した。

チュクエメカの加入後最初のゴールとなるプレミア初ゴールで良い時間帯に追いついたチェルシー。その後、パケタに右ポストを掠めるシュートでゴールを脅かされるも、試合の主導権をがっちりと掌握。畳みかける攻めで逆転ゴールを目指す。

42分にはスターリングが切れ味鋭い仕掛けでボックス内に侵入すると、ソウチェクのファウルを誘ってPKを獲得。だが、キッカーを務めたエンソ・フェルナンデスが左を狙って蹴ったシュートはGKアレオラに完璧に読まれて痛恨の失敗に。

その後はキレキレのスターリング、ジャクソンの仕掛けで再三の個での打開で決定機を演出したが、ゴール前でしっかりと人数をかけるホームチームの身体を張った守備を崩し切れず。また、ハーフタイム直前には左ヒザを痛めたゴールスコアラーのチュクエメカがプレー続行不可能となり、スタッフに両脇を支えられてドレッシングルームに下がった。

チェルシーは迎えた後半、すでにベンチへ下がったチュクエメカに代えてムドリクをハーフタイム明けに投入。後半も引き続きボールを握って押し込む入りを見せる。

一方、防戦一方だった前半終盤から何とか修正を施したウェストハムは、頼れるエースが後半最初のチャンスをゴールに結びつけた。53分、中盤のウォード=プラウズからの縦パスを前線で収めたアントニオがDFコルウィルを振り切ってボックス右まで持ち込んで強烈な右足のシュートをゴール左下隅に突き刺した。

これで再び追う展開になったチェルシーは引き続きスターリングの個人技を起点に攻撃を仕掛けながら、61分にはチルウェルを下げてイギリス史上最高額男をデビューさせる。カイセドはアンカー気味の立ち位置を取り、ムドリクがチルウェルのポジションに下がった。

ここからチェルシーが攻勢を強める中、ウェストハムにアクシデントが発生。67分、前半に一枚カードをもらっていたアゲルドがジャクソンへの深いタックルで2枚目のカードをもらって退場に。これを受け、モイーズ監督は後半攻撃の起点となっていたベンラーマを下げてDFオグボンナをピッチに送り込んだ。

この退場によって試合の構図はリスクを冒して攻めるチェルシー、専守防衛のウェストハムという明確な形に。

何とかゴールをこじ開けたいアウェイチームは、中盤やDFを削ってマドゥエケにトップデビューのバーストウと続けてアタッカーを投入し、さらに前がかる。対するウェストハムは2アシストのウォード=プラウズを下げて同じく新戦力のエドソン・アルバレスをデビューさせる。

手数をかけながら際どいクロスやラストパスをボックス内に送り込むものの、決定機まであと一歩という場面が目立つチェルシーに対して、戦い方が整理されているウェストハムは手数こそ少ないが、ボーウェンらを生かしたロングカウンターからあわや3点目というシーンも作り出す。

その後、6分が加えられた後半アディショナルタイムの攻防ではマドゥエケのシュートでチェルシーがゴールに迫るが、ここはGKアレオラのビッグセーブに阻まれる。

すると、この直後には試合を決めるゴールが生まれる。投入直後から試合勘のなさや緊張によってミスが目立ったカイセドがボックス内でエメルソンを倒してしまい、痛恨のPK献上。これをキッカーのパケタが冷静に決めて勝負あり。

この結果、ロンドン・ダービーで会心の勝利を収めたウェストハムが今季初白星を奪取。一方、エンソ・フェルナンデスとカイセドと超高額加入のPK失敗にPK献上が響いたチェルシーは、ポチェッティーノ新体制で初黒星となった。

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