「良い買い物かどうかは…」リバプールOBオーウェン氏が遠藤航に言及、補強失敗で「一線を超えた批判」を受けたクラブの対応には「称賛されるべき」

[写真:Getty Images]

リバプールのレジェンドでもある元イングランド代表FWマイケル・オーウェン氏が、古巣が獲得した日本代表MF遠藤航について言及した。イギリス『リバプール・エコー』が伝えた。

遠藤は18日、電撃的にシュツットガルトからリバプールに加入。噂が浮上してからあっという間の出来事だったなか、翌日の19日には予想外のアクシデントで急遽デビューすることとなった。

突如訪れたプレミアリーグデビュー戦でそつのないプレーを見せた遠藤。「クレイジーだった」と移籍前からの一連の流れを振り返っていたが、今後の活躍が期待される。

リバプールは今夏イングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソン、ブラジル代表MFファビーニョが揃ってサウジアラビア移籍を選択。中盤の選手の補強が必須となった中で、エクアドル代表MFモイセス・カイセド(21)、ベルギー代表MFロメオ・ラヴィア(19)の2人を獲得しようと画策していた。

カイセドに関してはブライトン&ホーヴ・アルビオンとの合意を取り付けたものの、本人がリバプール行きを拒否。結果、チェルシーが獲得に成功。ラヴィアに関してはサウサンプトンとの交渉で移籍金に折り合いがつかずに破談。その隙に、再びチェルシーに奪われる形となってしまった。

この先10年はチームを任せられる選手の獲得に動いていた中で、ことごとく失敗。その代役として急遽穴を埋めたのが遠藤だが、30歳という年齢。クラブとしてのプランは大きく変わることとなった。

誰も獲得できない可能性もあった中で、ブンデスリーガでしっかりとした実績を残した遠藤を確保。オーウェン氏は『Premier League Productions』でクラブが補強に失敗しながらも、すぐに動いたことを称えた。

「明らかに彼は第一候補ではなかった。それを正しく理解しよう」

「でも、私はリバプールが少し明確さを与えた方法が好ましい。彼らはやり遂げた。6番(アンカー)のポジションを欠く時間が長ければ長いほど、価格が高騰し、あらゆる種類の物が手に入らなくなる。ファンや選手の間で多くの緊張が生まれる」

「ターゲット1は何も起きなかった。ターゲット2も起こらなかった。翌日、メディカルチェックが行われ、移籍金の支払いが合意されたと聞いた。その点では、リバプールは称賛されるべきだと思う。彼らはここ1、2週間、数人の選手と契約できなかったことで多くの一線を超えた批判を受けていた」

獲得候補を逃しながらも、しっかりと代役を確保したことは称えたオーウェン氏だが、プランが変わったことについて言及。遠藤が良い買い物となるかはまだ分からないとした。

「彼が良い買い物かどうかはまだ分からない」

「彼は経験豊富で30歳だ。それは長期的な思考とは思えない。カイセドに1億ポンド以上を費やすつもりだったが、その地位を確実なものにするには10年ほどかかるだろう」

「一方で、今回は次の選手が見つかるまでのおそらく2、3年の一時凌ぎのようなものだと思う」

遠藤の移籍金は1600万ポンド(約30億円)と言われており、第一候補だったカイセドの1億1100万ポンド(約207億3000万円)に比べて遥かに安価。10年活躍することは難しそうだが、良い買い物だと認めさせる活躍を期待したいところだ。

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