山田洋次監督、故郷・豊中市で舞台挨拶「いつか生家でロケも」

吉永小百合主演の映画『こんにちは、母さん』を発表した山田洋次監督が8月24日、自身の生まれ故郷であり、名誉市民でもある豊中市でおこなわれた先行上映会に登場。作品や故郷への思いを語った。

故郷・豊中市で舞台挨拶をおこなった山田洋次監督(8月24日・大阪府豊中市)

「豊中市立文化芸術センター・大ホール」(大阪府豊中市)でおこなわれた、この日の舞台挨拶。上映後のステージに登壇した91歳の山田監督は、自身90作目となる映画に「数が多いことがすごいことではありません。巨匠と呼ばれる方々はあまりたくさん撮られておりませんから(苦笑)」とコメントし、満員の会場を笑わせた。

主演の吉永について、「品の良さ、っていうと良識的な言い方になるけど、とにかく人間として品が良い。人間性そのものというか、非常に真面目な人なので。よく勉強されているし、知的な人でもある。バカバカしい冗談を言ってケタケタ笑う人ではないですけど、女性として本当に立派な人」と語った山田監督。

また、司会から91作目の構想を問われると、「終わったばかりなのであまり考えていませんけど、もちろん、いつも2つも3つも(映画の案を)持っているもんですよ。それが漬物みたいなもので、これがそろそろおいしくなってきたな、とか、これはなかなかおいしくならない、とかいろいろありますけど、いくつも企画を持っています」と、91作目の可能性を示唆する場面も。

さらに、故郷・豊中市での撮影を期待する声があることが伝えられると、「わたくし、生まれも育ちも豊中、岡町ですから」と、映画『男はつらいよ』を思わせるセリフで会場を沸かせつつ、「僕の生まれた家が今でもちゃんと残っている。だから、あの家を映すようなロケーションもいい」と答え、豊中ロケに含みをもたせた。映画『こんにちは、母さん』は、9月1日より公開される。

取材・写真/上地智

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