東電海洋放出開始 環境省は周辺海水採取し分析

 東京電力は福島第一原発事故で増え続ける放射性物質に汚染された水のALPS処理水の海洋放出を24日、開始した。

 東電はX(ツイッター)版での「海洋生物飼育日誌」で「24日午前9時。水温18.7℃ 本日、ALPS処理水の海洋への放出を開始しました」と発信。そのうえで「これまで飼育日誌を通じて、ヒラメとアワビの状況をお知らせしてきましたが、引き続き、トリチウムの生物影響に対するご不安にしっかりお応えできるよう、正確な情報発信に努めてまいります」としている。

 東電は7月末でトリチウムが1リットルあたり約1300ベクレル含まれる海水でヒラメの飼育を始めて300日が経過したと今月3日に「X」で発信。

 「成長度合いや生残率、餌への喰いつき状況(元気さ)など、ALPS処理水を添加していない海水で飼育しているヒラメとの違いは見られない」と日誌に綴っている。

 西村明宏環境大臣は24日、海洋放出を受け「環境省は放出された処理水の拡散状況を考慮し、明朝(25日)に周辺海域で海水を採取し、放射性物質濃度の分析を行う。27日(日)午前に速報性を優先した分析の結果を公表する予定」との談話を発表した。

 そのうえで「当分の間、毎週周辺海域の海水を採取し、放射性物質濃度の分析を行い、その結果を公表していきます。風評を生じさせないため、客観性・透明性・信頼性の高いモニタリングを徹底していく」と強調している。(編集担当:森高龍二)

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