ネット選挙解禁10年を振り返る!票は増えた?問題点は?戦略の方向性とは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。

2023年8月24日に公開された動画では、選挙ドットコムが開催した「ネット選挙フォーラム2023」の一部を紹介。

4名の現職国会議員に、ネット選挙解禁からの10年とネット活動の効果について語っていただきました。

現職国会議員が感じているネット選挙のメリットとは?

【このトピックのポイント】
・ネット選挙解禁はメリットがあったが解決すべき新たな問題も
・ネット活動を票につなげるには衆院選・参院選で活用方法に違い
・ストックメディア化が進み以前の投稿が選挙中に注目される傾向

【スピーカー】
・山田 太郎氏(自由民主党・参議院議員)
・中谷 一馬氏(立憲民主党・衆議院議員・党デジタル政策PT座長)
・おときた 駿氏(日本維新の会・参議院議員)
・三浦 信祐氏(公明党・参議院議員)

【モデレーター】
・高橋 茂氏(ポリティカル・コーディネーター)

ネット選挙解禁から10年を振り返る

ネット活用で1人1人の声が届く政治を実現

ネットを主戦場として選挙を戦ってきた山田氏。政治におけるネットの活用について、自身のYouTubeチャンネルに触れ、選挙だけでなくその後の活動を可視化することの重要性に言及しました。

また、こども家庭庁の創設にあたってネットを活用したことを挙げ、「直接1人1人の方々の声が届く政治を誰かがやらないといけない」「本当に一生懸命やらせていただいたつもり」とコメントしました。

ネット選挙には課題も 超党派で議論が必要

中谷氏が神奈川県議会議員選挙の候補者として公認を受けたのは2010年のこと。当時はネット選挙解禁前で選挙期間中のSNS更新は禁止されており、中谷氏は「若い議員からすると、なんだこれはというような状態だった」と振り返りました。

また、ネット選挙解禁について一定の評価しつつ、デジタル・ゲリマンダーやフェイクニュースなど「色々な課題点・問題点がある」とコメント。超党派で議論する必要性に言及しました。

ネット選挙解禁で地方政治が見えやすく

東京都議だった時からブロガー議員として名を馳せる音喜多氏。ネット選挙解禁のメリットとして「地方の政治の情報がリッチになった」とコメントしました。

一方で、「(候補者としては)やることもお金もかかるようになった」と、選挙のあり方には変化がない点を指摘。ネット選挙の今後について「お金がかからない選挙、何も持ってない人が当選できるようになると次の世界が見えてくるのかなと思います」とコメントしました。

時間や距離を超えるメリットがあるが問題点も

ネット選挙解禁のメリットについて「時間や距離を超えて多くの皆さんの声を直接聞くことができる」と三浦氏。政治家と有権者双方に意義のあるものであると強調しました。

一方で、投票率への効果が見られない点や、ネットにあるのが真に有権者の意見を反映したものであるかというリテラシーの問題については解決すべき問題として指摘。「もっと磨かないと正しいことになっていかないと思っています」とコメントしました。

ネット活動は票になるのか?コストの問題は?

ネット選挙なら公認料でまかなえる 

ほぼネットのみの選挙活動で2019年の参院選では約54万票を獲得した山田氏は、選挙制度とネットの相性に言及。自身が全国比例で当選したことを踏まえ「小選挙区制度とネットの相性は悪いのではないか」とコメントしました。

コスト面に関しては「安くできるかと言えば、できる」と山田氏。選挙で最も費用が掛かるのは秋葉原に構える選挙事務所の家賃で、ポスターやビラを作成しないため、党から支給される公認料でほぼまかなえるとのことです。

衆院選と参院選ではSNSの使い方に差

スピーカーの中で唯一の衆議院議員である中谷氏は、ネットにおける参院選と衆院選のスタイルの違いに言及します。

参院選におけるSNSの役割が認知を増やすことであるのに対し、衆議院では地域の有権者とのコミュニケーションの場であると説明。リアルとネットを地続きのものとして捉えているようです。

中谷氏「結論としては票になりますし、費用対効果はあるということだと思います」

ネットとリアルの技術を組み合わせて効果を倍に

SNSに最近投稿した盆踊りについての話題が出ると、音喜多氏はリアルとネットの組み合わせが重要であるとコメント。リアルの出来事をネットにアップすることで効果は2倍になる、と語りました。

また、ネットがボランティアの獲得には効果があるものの、直接票になるかどうかは難しいと音喜多氏。「特に地方選挙でネットだけで当選したということはなかなかない。(中略)そこは開拓の余地があると思います」とコメントしました。

ネット活用は継続とインパクトが重要

独自のネット戦略を展開している公明党。その理由について三浦氏は、以前投稿した内容が選挙の直前に注目される傾向が高まっている点に言及。「普段注目されなくてもやり続けていくことが大事」とコメントしました。

また、有権者に認知されるためには継続だけでなくインパクトが重要だと三浦氏。「知る機会があるかどうかが入り口になる。これを地道に続けていくことが大事」とコメントしました。

動画本編はこちら!

ネット選挙解禁10年を振り返る!メリットや課題を現職国会議員が本音でトーク!

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