期待背に十両の土俵へ 大相撲 高橋と大の里 海洋高出身 仲間、ライバルで切磋琢磨

新十両が発表され、二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)と大の里(左)、高橋(7月26日、二所ノ関部屋提供)

大相撲9月場所が来月10日に初日を迎える。28日に番付が日本相撲協会から発表され、共に能生中―海洋高―日本体育大出身の高橋(24、二所ノ関、福島県須賀川市出身)が十両西12枚目、大の里(23、同、石川県津幡町出身)が十両東14枚目に昇進した。海洋高出身力士の関取は令和2年9月場所の王輝(27、錣山、関川村出身)以来3年ぶりで、2、3人目。

2人は1学年違いで、中高、大学と10年間稽古や寝食を共にし、現在も同じ二所ノ関部屋で稽古に励んでいる。昨年5月場所で先に角界入りした高橋が初土俵から快進撃を続け、8場所連続5勝以上をマーク。所要8場所の新十両は、年6場所制となった昭和33年以降では7位タイ(10人)の速さとなった(幕下・三段目付け出しを除く)。2年連続アマチュア横綱の実績を持つ大の里は、今年5月場所で幕下10枚目格付け出しデビューし、2場所で通過した。

大の里が「優太先輩」と慕うように、2人は信頼し合う仲間であり、意識し合うライバル。先場所、大の里は星が五分に並んだ時に高橋に胸中の不安を漏らしたという。兄貴分的存在の高橋は「一緒に切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と決意を話している。同部屋には高橋と中学、高校、大学同期の幕下西23枚目の嘉陽(24、二所ノ関、那覇市出身)らもいて、精力的な稽古を重ねている。

中高時代の写真を見ると、同僚や先輩後輩に恵まれ、海洋高の土俵で着実に大きくなっているのが分かる。糸魚川、能生の地でおいしい料理を食べ、周囲の応援を受けながら心身共に成長してきた。第二の故郷ともいえる同地の期待を背に、十両の土俵でその勇姿を輝かせる。

海洋高2、3年時の大の里(後列左)と高橋(同右)。団体メンバーとして撮影し、現在大相撲幕下の欧勝海(後列中央右)や嘉陽(前列中央)、黒姫山(後列中央左)の姿も(2017年7月撮影)
能生中2、3年時に海洋高の土俵で、高校生と稽古を積む大の里(右、本名・中村泰輝)と高橋(奥左、本名・高橋優太)ら(2014年6月撮影)
糸魚川市役所に掲出されている「祝十両昇進」の懸垂幕
能生中2年時に先輩後輩と共に、ダッシュの練習をする高橋(右、2013年7月撮影)

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