今も現役、横浜中心部支える37の復興橋梁 関東大震災100年の節目に合わせパネル展も

横浜市の歴史的建造物に認定されている吉野橋=横浜市南区

 関東大震災で壊滅的な被害を受けた横浜では、被災後に新たに架けられた「震災復興橋梁(きょうりょう)」が今も暮らしを支えている。現存するのは、現在の市心部を流れる河川などに架かる37橋。親柱や構造などに特徴を持つ橋もあり、完成時期を刻んだ銘板から歴史を垣間見ることもできる。市は震災100年の節目に合わせたパネル展を開き、その役割をアピールしている。

 市道路局によると、震災後の大正末期や昭和初期に国や市が架けた「復興橋梁」は178あったが、その後架け替えられたり撤去されたりした橋も多く、現在は37橋となっている。中区と西区、南区に多く、神奈川区や保土ケ谷区、磯子区にもある。大岡川や石崎川などの河川だけでなく、道路上にも架かっている。

 震災で大火に見舞われた横浜では、当時圧倒的に多かった木橋が焼け落ち、対岸や広いスペースなどへの避難ができずに命を落とした人が少なくない。そうした反省から復興橋梁は耐震・耐火性を考慮した鋼製やコンクリート製が中心で、修復を経て今に至っている。

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