「島キャン」始まる 奄美群島=学生12人が就業体験、島の魅力体感

大学生が離島で就業を体験する2023年度「島おこしインターンシップ(島キャン)」が全国で始まった。鹿児島県奄美群島には、学生12人が2週間の日程で滞在する。うち6人は、8月15~28日に奄美大島の観光宿泊施設3カ所でインターン。豊かな自然に囲まれた環境での体験を通して「島の魅力を知ることができた」と振り返った。

ネイティブシー奄美のレストランで就業体験する河上奈津希さん(左)と伏島史季さん=8月28日、龍郷町芦徳

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島キャンは、カケハシスカイソリューションズ(本社東京都)が2014年に開始。離島の地方創生や交流人口の創出を目指すとともに、都会の学生たちが離島の生活文化の多様性に触れ、今後の働き方について考える機会をつくることを目的としている。

これまで延べ1142人が参加。今年は3県7島で実施し、8月から9月の期間中に計4クール約40人が参加する。

龍郷町芦徳のリゾート施設「ネイティブシー奄美」では、信州大学3年の伏島史季(あき)さん(21)と東京家政学院大学3年の河上奈津希さん(同)が就業。レストランでの接客やホテルのルーム清掃、事務作業などを体験した。

2週間のインターンを終え、伏島さんは「初めて見る奄美の生き物や植物に感動した。島は心が豊かになる瞬間が多いと感じた」と充実した時間を過ごせた様子。「また来たい」と笑顔を見せた。

母が幼少期に奄美大島で暮らしていたという河上さんは「母から話は聞いていたが来島は初めて。奄美について新しく知ることがたくさんあった」と話し、「夢は建築士。住宅の建設には接客のスキルも必要なので、今回の経験を生かしたい」と意気込んだ。

スタッフの野﨑修さん(60)は「2人とも自分から進んで仕事を見つけて頑張っていた。(就業を通して)奄美の温かみも感じてもらえたら」と話した。

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