雲仙観光「明るい兆し」 189万人超で回復傾向 2022年市統計

 長崎県雲仙市が8月24日発表した2022年の観光統計によると、同市への観光客は延べ189万2115人(前年比18.5%増)で、3年連続で200万人を下回ったものの、回復傾向が見られることが分かった。
 観光客の内訳は日帰り客が128万9646人(同14.5%増)。滞在日数を客数に換算した「宿泊客延べ滞在数」は60万2469人(同28.2%増)。観光消費額は146億7530万円(同22.6%増)。
 観光スポットでは仁田峠を訪れた人が前年より約5万人増え、雲仙温泉への来訪者も約4万人増加した。宿泊客数が伸びた要因は、県が22年5月から九州在住者を対象に、市も同年7月から市民を対象に、それぞれ旅行代金割引キャンペーンを展開したことが挙げられる。それでも19年より86万人ほど少ない。
 修学旅行宿泊客は8792人(同20.5%増)。学校数は127校(同56.8%増)と顕著な回復を見せた。新型コロナ禍の20年は九州・沖縄からが大半だったが、22年は関西からが4割弱を占めた。
 外国人宿泊客延べ滞在数は前年比7倍弱の2984人。増加したが、19年の5万7183人と比べると新型コロナ感染拡大前の水準には届いていない。
 1月に雲仙観光局が設立された22年。複数の大型宿泊施設が個人旅行客向けに改修してきた影響で、客単価の増加や滞在日数の延長につながったと市は分析する。観光客数の増加だけを求めず、リピーター獲得や長期滞在、観光消費額アップを狙う政策を実施するとしている。
 同統計を受け、金澤秀三郎市長は「観光回復に向けた明るい兆しが見えてきた。今後も戦略的かつ効果的な観光政策を実施し、観光消費額の増加につなげ、地域の活性化を図りたい」とのコメントを出した。

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