水車と共演、有終の響き とびがもり音楽祭、人員不足で一区切り

柔らかい歌声と軽快なリズムを響かせるアーティスト

 一関市千厩町奥玉の飛ケ森キャンプ場で3日、第10回とびがもり水車音楽祭(実行委主催)が開かれた。「自然との共演」をテーマに継続してきたが、運営人員の不足などで今回で一区切りとなる。観客らは、水車音楽装置「ミュージックミル」とアーティストが奏でる伸びやかな音色に心癒やされた。

 緑あふれる会場に、優しい歌声や軽快なリズムが響く。ミルは水車の動力を利用して楽器を鳴らす仕組みで、今回は2基が木琴やドラムなど15種類の音色をつくり出した。来場者は、県内外のアーティストとミルの「協奏」に、手拍子を交えながら聞き入った。

 音楽祭は、持続可能な水循環を象徴する水車を楽器に活用し、2014年に開始。ミルは大工や自動車整備業者など、異なる業種の地元住民らが共同製作し、「音楽・アートと地域力のコラボレーション」を実現した。新型コロナウイルス禍で2020、21年は水車を回さず無聴衆となったが、継続開催してきた。

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