「100年後」記憶と記録の継承 神奈川の高校教員ら、「神奈川の関東大震災─100年後の視点」出版

(前列左から)小川さん、鈴木さん、(後列左から)藤田さん、えにし出版の塚田敬幸さん=横浜市中区

 神奈川県内の高校教員や研究者らが、県内各地に残る関東大震災の痕跡を丹念に歩いてまとめた「神奈川の関東大震災─100年後の視点」を出版した。体験者がいなくなりつつある「100年後」を生きる教員らがいかに記憶したかの記録でもあり、授業やフィールドワークに役立ててほしいと願っている。

 編集委員は横浜市立みなと総合高校(同市中区)教諭の鈴木晶さん(62)、神奈川学園中学・高校(同市神奈川区)教諭の小川輝光さん(45)、多摩大学非常勤講師で東アジア国際関係史が専門の藤田賀久さん(50)が務めた。

 記録と記憶の継承が課題となっている関東大震災に着目。約20人が執筆し、横浜から三浦半島、県西部まで足元に残る石碑や慰霊碑を巡ったほか、鉄道や公衆衛生、当時の国際社会とのつながりなど多彩な視点から読み解いた論考、教育現場での実践を紹介した。

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