スペイン女子代表を率いるホルヘ・ビルダ監督(42)が解任された。『ロイター通信』が報じている。
スペインサッカー連盟(RFEF)は5日、ルイス・ルビアレス会長によるジェニ・エルモソへの唇へのキスが引き起こした不祥事の一環として、ビルダ監督を解任。また、兼任していたスポーツディレクター職も同様に任を解かれている。
ルビアレス会長は、先日の女子W杯決勝でスペイン女子代表が悲願の初優勝を達成した際のセレモニーで、FWジェニファー・エルモソの唇にキスをしていた。
このキスは「望んでいなかった」とエルモソが発信。これにより、世界中から大きな批判にさらされると、スペイン政府にも糾弾される事態に発展。
その後、ルビアレス会長は「私は辞任する気はない」との発言と共に、「キスは合意の上だった」と自身の行動を正当化。
しかし、翌日にFIFAは暫定的な資格停止処分を発表。同会長は90日間の職務停止が決定していた。
そういった中、同会長の停職処分を受けて新たなに設立された理事会は、ビルダ監督の解任を決定し、すでに同監督に通告も行ったという。
先日にスペイン男子代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督と共にルビアレス会長の前述の行為を批判する声明を出していたビルダ監督だが、RFEFの新たな理事会は同会長の親しい同盟者とみなしている。
また、ビルダ監督は昨年、自身の不適切な指導方法への批判や、男子代表チームと同様の条件を求めたことを理由に、15人の代表選手と対立する騒動を起こしていた。
その際、ルビアレス会長を筆頭にRFEFはビルダ監督を支持。そして、解任を回避した同監督は自身に反旗を翻した選手の招集を見送り続け、今回のW杯ではアイタナ・ボンマティ、マリオナ・カルデンティ、オナ・バトレの3選手のみが前述の15人の内から招集されていた。
現役時代にバルセロナやラージョ、レアル・マドリーのカンテラに在籍経験があったビルダ監督。選手としてのキャリアに早々に見切りを付けると、若くして指導者に転身。2009年にU-17スペイン女子代表の監督に就任すると、U-19スペイン女子代表の指揮官を経て、2015年からスペイン女子代表の監督に就任した。
そして、国内リーグの隆盛を生かして着実にチーム力を上げると、先のFIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド2023では初優勝に導く手腕を発揮していた。