宇宙へ興味津々 天文台が出前授業 奥州・水沢

奥州市天文教室で野田助教(右から4人目)から地球と月の関係などを教わる児童

 国立天文台水沢VLBI観測所と奥州市の2023年度連携出前授業「キラリ☆奥州市天文教室」は5日、同市水沢の黒石小学校(塚本岳也校長、児童26人)で行われた。5、6年生10人が太陽と地球との距離など太陽系の位置や、潮の満ち引きなど月と地球の関係を学び、宇宙への関心を高めた。

 今年度最初の出前授業で、同観測所のRISE月惑星探査プロジェクト所属の野田寛大助教が「地球と月と太陽系」と題して講義。星座などを調べられるシミュレーションソフト「Mitaka(ミタカ)」を使った学習では、地球から遠く離れた星々が画面で紹介され、野田助教が「今、目に見える星の光の中には、何千年も昔のものもある」「ミタカは家のパソコンでも使用できるので興味のある人は触れてほしい」と説明すると歓声を上げて喜んだ。

 学習では、月と地球の満ち引きの関係、火星の衛星の形、月は日本では「ウサギの餅つき」に見えるが世界ではどのように見えるのか、スーパームーンはどうして大きく見えるのかなどを分かりやすく説明していた。児童(6年)は「地球から遠く離れた星の光が何千年も前のものもあると知って驚いた。惑星には丸くないものもあって興味深かった」と目を輝かせていた。

 出前授業は、次代を担う児童生徒が宇宙や天文学に関心を持ち、国立天文台水沢の研究についても認識してもらい、郷土愛を育むことにつなげるのが狙い。今年度は小学校2校と中学校4校で12月まで計7回行われる。

© 岩手日日新聞社