橘湾の赤潮被害 長崎市は推定73万匹、9億円見込み 養殖業の早期再開に向け働きかける

斃死(へいし)したシマアジ(長崎市たちばな漁協所属の養殖事業者提供)

 長崎、雲仙両市にまたがる橘湾の広い範囲で赤潮が発生し養殖魚が大量死した問題で、鈴木史朗長崎市長は7日、同市戸石町のたちばな漁協管内の推定被害は現時点で、トラフグやシマアジ、マダイなど約73万匹、約9億円に上る見込みと明らかにした。長崎県が示している推定被害匹数、金額のそれぞれ7割近くを占める。
 定例市議会一般質問で、五輪清隆議員(市民ク)に答えた。
 関連質問で、野口達也議員(市民ク)が掛け金に応じて被害補償が受けられる共済金の支払時期を問うと、向井逸平水産農林部長は「年明けごろ」と答弁。その上で、養殖事業の再開に向け、早期の共済金支払いを金融機関や共済組合に働きかけるとした。
 同漁協管内では約100万匹を養殖。長崎県は長崎、雲仙両市の推定被害が約110万匹、約13億円に上るとしている。長崎市は開会中の定例市議会に代替魚の購入費用や金融支援策などを追加提案する方針。

© 株式会社長崎新聞社