【MLB】 マリナーズの若きエース、カービーが失言 レジェンドたちからは苦言

写真:エースとして成長中のマリナーズ・カービー

マリナーズの若きエース、ジョージ・カービーの失言が波紋を呼んでいる。

カービーはメジャー2年目の25歳。160キロに達する剛速球と針の穴を通すような精密なコマンドを武器に、今季は初のオールスターに選ばれるなど、成長著しい若きエースだ。

カービーは今季も既に27先発で防御率3.48というパフォーマンスで、マリナーズのプレーオフ争いに貢献していた。しかし、ここ4先発では防御率6.00と苦戦中。フラストレーションが溜まっていたのか、現地8日のレイズ戦の先発後に思わず本音が漏れてしまった。

カービーはこの日も6回まで2失点とクオリティスタートの好投。6回終了時までに93球を投げており、御役御免かと思われたが、7回も続投。すると7回に2ラン本塁打を浴びて同点に、さらに自身の交代後もレイズが勝ち越し2ランで試合をひっくり返し、結局試合はそのままレイズが勝利した。

カービーは試合後のインタビューで苛立ちを隠せない様子で「正直、7回に続投していなければよかった。球数は90球だった。これ以上投げる必要は無いと思っていた。でもこれが現実だ」とコメント。

翌日にカービーは「自分らしくなかった」と発言を謝罪。マリナーズのスコット・サーバイス監督もカービーと長い時間話し合ったと言い、「みんなジョージが熱血で、競争心が強いと知っている」と若いカービーに成長を促す旨をコメントした。

カービーの若気の至りということで、この件はチーム内では一件落着ということになりそうだが、カービーのコメントはすぐにソーシャルメディア上で拡散されて波紋を呼んだ。特に往年のレジェンド投手たちからは辛口のコメントが寄せられている、と『USA Today』が報じている。

00年代後半~10年代前半の強豪エンゼルスのエースだったジェレッド・ウィーバーは「正直言って、これだから僕にはメジャーリーグのコーチなんて務まりそうにないんだ。続投すべきでなかった?90球投げていた?何言ってるんだ?本当に恥ずかしい」と一刀両断。

史上最多の7度のサイヤング賞を誇るロジャー・クレメンスは「昔なら考えられないことだ!残念なことに、これが現代の分析で選手たちが教えられている方法なんだ」と批判。

確かにこれらのレジェンド投手たちが時代と比べれば、先発投手が投げるイニング数や投球数は圧倒的に減っている。コメントした両レジェンドはタフネスと旺盛な闘争心で知られるスタイルだったこともあり、現代の若い投手のこのコメントには驚きを隠せなかったのだろう。

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