小田原の遺跡で「子持勾玉」2点出土 当時何らかの自然災害発生か 神奈川県内6、7例目

発掘調査で見つかった白色の子持勾玉(上)と黒色の子持勾玉(下)

 小田原市は13日、市立病院の建て替え工事に伴い発掘調査を進めている久野下馬下遺跡(くのげばしたいせき)(同市久野)第Ⅶ地点で、古墳時代中期(5世紀後半)の「子持勾玉」2点が市内で初めて出土したと発表した。県内では6、7例目。突起が付いている子持勾玉は主に祭祀(さいし)で使われていたものとされ、関係者は発掘場所の状況から「当時何らかの自然災害が発生していた可能性もある」と話している。23日に同所で遺跡見学会を開く。

 病院敷地を含む同遺跡では、昨年4月から約5400平方メートルの発掘調査を開始。昨年は鎌倉時代の御家人が葬儀などに使用した墳墓堂とみられる遺構が発見され、現在は2400平方メートル区域の調査を進めている。

 このエリアの地下約2.3メートル地点では、4カ所(H1~4)で古墳時代中期の土器などがまとまって見つかっており、今年7月にはH2近くから白色の子持勾玉(高さ約7.5センチ、幅約5センチ)が、同8月にはH3中央部から黒色の子持勾玉(高さ約7センチ、幅約5センチ)が発見された。

 いずれも滑石から作られており、同エリアから発掘された土器や勾玉形などと同年代と見られる。子持勾玉はこれまで、全国で約800点発見されている。

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