カネミ油症検診 コロナ禍前の水準に 長崎県内4会場で204人 本年度分終了

 カネミ油症患者の健康状態を調べる県の油症検診が13日まで五島、長崎両市の4会場で順次あり、県内の本年度検診は終了した。受診者数は計204人で昨年より50人多く、新型コロナウイルス禍前の2019年度の水準に戻った。
 全国油症治療研究班(事務局・九州大)から委託を受けた県が毎年実施。油症の原因物質ダイオキシン類の血中濃度測定や内科、皮膚科の臨床検査などをする。県生活衛生課によると、受診者の内訳は認定患者が131人(昨年比46人増)。未認定患者は73人(同4人増)で、うち油症被害者の子ら次世代は昨年並みの35人。会場別では、玉之浦49人、奈留44人、福江29人、長崎82人だった。
 20年度から検診項目を減らしていたが、4年ぶりに全18項目を実施。受診者増について同課は、新型コロナ禍で控えていた認定患者らが受診したことや、長崎市会場をこれまでの県西彼保健所から県庁に変更したことによる利便性向上などが要因とみている。
 未認定患者の検診結果は、認定の可否判断の材料となる。同研究班は21年から次世代の影響調査を実施しており、同検診を受けるよう勧めていた。

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