川崎市、プールの水出しっ放しで賠償請求 教育長「予防の配慮十分でなかった」

プールの水が流出したことから川崎市教育委員会が教諭らに損害賠償を請求し問題となっている市立稲田小学校

 川崎市立稲田小学校(多摩区)で、5日間にわたりプールに水を出しっ放しにした男性教諭らに対する市教育委員会の損害賠償請求を巡り、小田嶋満教育長は14日の市議会第4回定例会本会議で、「教育委員会としても発生予防の配慮が十分ではなかった」と認識を示した。

 市古次郎氏(共産)の代表質問に答えた。

 市教委によると、男性教諭は5月17日昼ごろ、同小のプール脇の機械室で装置を操作し、注水を開始した。直後にろ過装置の空回りを知らせる警報音が鳴ったことからブレーカーを落とした。同日夕に栓を閉める操作をしたが、ブレーカーが落ちていたためその後も注水が続いた。

 小田嶋教育長は「電源ブレーカーを落とすという誤操作により、すべての操作に係る機能が喪失したほか、水が止まっているかを確認しないままその場を離れた。これらの行為には過失があると判断した」とした。一方で、市教委の配慮不足を認め、「今後は確実に作業ができるよう、研修会を通じて複数の教職員による止水の確認を徹底し、各学校で操作マニュアルの整備なども行い、再発防止に努めたい」と述べた。

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