「●●ちゃん」増田有華×秋山ゆずき×大久保桜子を直撃! “コメディー色強め”の撮影に「人生をささげた感じがありました(笑)」

ABCテレビで毎週日曜日に放送中のドラマ「●●ちゃん」。セックスを通じて相手のことを知りたいという好奇心が強く、「したい」と思った相手と体を重ねては幸せを実感する日々を送る柏木史恵(増田有華)、自身が“高学歴の呪い”によって恋愛ができないという悩みを抱えている宮田貴子(秋山ゆずき)、不倫をすることでしか自分を肯定できないという性癖を持つ吉村真湖(大久保桜子)、3人の個性的な女性の奮闘を、第1章「セックスちゃん」、第2章「高学歴ちゃん」、第3章「不倫ちゃん」の3部作で描いています。

第一章では、セックスが大嫌いな高橋彰吾(東啓介)との出会いを経て、史恵の悩みもがく姿が描かれてきましたが、今夜9月17日の放送でいよいよ完結。その前に、ここでは史恵を演じる増田有華さん、貴子を演じる秋山ゆずきさん、真湖を演じる大久保桜子さんのインタビューをお届け。撮影を振り返ってもらうと、大久保さんのマイペースな一面や秋山さんが作品への出演を決めた裏側、増田さんが撮影時に感じていたひそかな思いなどが明らかに!

――撮影は無事クランクアップされたとのことですが、あらためて撮影期間はいかがでしたか?

増田 「楽しかったです。1カ月しかなかったので、寝て起きたら現場にいるみたいなことが続いていたのですが、短い期間の中で皆さんとめちゃくちゃ仲良くなれて、和気あいあいと楽しく撮影できました」

――増田さんのInstagramでは秋山さんとのオフショットをあげられていましたよね。初共演とは思えない仲の良さにびっくりしました。

増田 「そうなんですよ! 他の共演者の方に『何回目の共演なの?』と聞かれたことがあったのですが、その日が会って2回目でした(笑)」

秋山 「はははは!」

増田 「親友役というのもあるのですが、それくらい距離が近くなれたと思います」

秋山 「私もすごく楽しかったです。撮影現場を有華ちゃんが明るくしてくれて、スタッフさん全員にニックネームをつけたり、みんなとの関係をすごく縮めてくれたおかげで、私が入る頃には本当にアットホームな現場になっていて。最初は緊張していたのですが、緊張する間もないくらいすぐ現場の輪にも入れました。あまりにも楽しすぎて、(撮影が)終わってから『あ、明日現場ないんだ』という寂しさもあって、この夏をささげていたのだと思います。スタッフさんもみんな若かったんだよね」

増田 「そうだね。みんなすごく若かった!」

大久保 「私、現場にはお仕事をしに来ていることもあって、現場で仲良くなることは今までそこまでなかったんです。でも今回は初めて、仕事だけじゃなくて休憩中のお話も『あれ、楽しい!』と思えて。スタッフさんたちもいい方ばかりだったので、楽しい思い出も多く、最終日はちょっと悲しくなりました」

――増田さんと秋山さんのInstagramからも、大久保さんがお二人から愛されているんだということを感じていました。

増田 「私はただそこにいただけなのですが、2人の笑い声で現場がどんどん楽しくなっていって。ゆずゆず(秋山)はすぐに距離が近くなったので、もう幼なじみみたいな感覚ですね。さくらちゃん(大久保)は最初に会った時『あ、人見知りなんだな。あまり入っていかない方がいいのかな』と思っていたら、(撮影の)後半ではめちゃくちゃ距離を詰めてきてくれて。サウナのシーンがあるのですが、結構広い場所なのに、肌がめり込むぐらいの距離で私に詰めてきて(笑)、それはすごくうれしかったですね。ツンツンとちょっかいを出してくれたり、遊んでもらっていました」

秋山 「さくらちゃんは甘えん坊さんだよね。すごく自由なんです。みんながわーとしゃべっていても、戦う系のゲームをやっていたりしていて」

増田 「デスゲームみたいなやつね(笑)」

秋山 「そうそう(笑)。いるだけでこんなにかわいくて画になるような子が、めちゃめちゃサバイバルなゲームをやっているんですよ。しかもかなり強い(笑)」

増田 「私たちが占いで盛り上がっていて、さくらちゃんも入れようと『何月何日はこういう感じだよ』と言ったら、『へ〜、はい』と返されたので、『やべえ、これ仲良くなれないかも。デスゲームしながらこんな感じだし、この子やばいかも!?』と思っていたのですが、全然違ったね(笑)」

大久保 「マイペースなんです…(笑)」

――大久保さんから見て、初共演のお二人の印象は何か変わりましたか?

大久保 「最初はお二人のSNSを拝見させてもらった時になんとなくのイメージを持っていたのですが、増田さんは『明るくて、現場を引っ張っていくことが上手な方なんだろうな』と思っていて。実際にお会いしてみるとそのまんまで、すごく優しくて『こういうお姉ちゃんがいたらいいな』と思っていました」

増田 「絶対かわいがる!」

大久保 「秋山さんは、ちょっとクールな方なのかなと思っていて。『もしかしたらちょっと人見知りでクールなのかな? 私と似ている感じかな?』と思っていたのですが、すごく話しやすくて『きっと仲良くなれる!』と思えるようになって、いつの間にか仲良くなっていました。(秋山さんと)同い年ぐらいだと勝手に思っていたんです」

増田 「若く見えるよね」

秋山 「うれしい! 3人とも無理してしゃべろうとしていたわけではなくて、お互いがやりたいことをしながら、会話に入りたい時はそこに入って盛り上がって、いつの間にかゲームもしたりして、でもどれも強要はないから、それが心地いい空間になっていたんだと思います」

――「●●ちゃん」という作品のお話が最初に来た時はどんなことを感じていましたか?

大久保 「台本を読んだ時に『これ、地上波でどうやって流すんだろう…』と自分の中でいろいろなことを考えて、『このシーンはこう撮るのかな?』『どうしたらポップに描けるのかな?』と自分なりに考えていたんです。でもいざ本読みが始まると、皆さん真面目にやっているのにすごく面白くて、聞いているだけで『これは絶対大丈夫だ。楽しくなりそうだ』と思えるようになって、そこからすごく楽しみになりました。いざ現場に入ると、監督が自由にやりたいようにやらせてくださったので、いろいろなことにたくさんチャレンジできて、自分自身も成長できた1カ月間だったと思います」

秋山 「恋愛作品やこういったセクシャルな作品に出たことがなくて、恋愛や女性の友情を題材にしたポップなドラマに出てみたい気持ちがずっとあったので、マネジャーさんに『ポップな作品があったらやりたい』と言っていたんです。そしたらオファーをいただいて、『やりますか?』と聞かれたのですが、原作をばーっと読んだ時に『面白い! これはどうやって放送するんだろう、やってみたい!』と考えて、『私、この作品を絶対にやりたい』と伝えました。そこから本当に出演させていただくことになったので、言ってみるものだと思いましたね(笑)。ずっとやりたいと言っていたから出合えたのかなとも思います」

増田 「私は実は3秒ぐらい迷いました(笑)。やるのかやらないのか、天使と悪魔がわーっと言い合っていたのですが、3秒迷った後に、今までAKB48に合格した時も、『全裸監督』(Netflix)のオーディションに行った時も、その日にビビっとくるものがあったことを思い出して、『●●ちゃん』の話も聞いた時にそれと近しいものを感じていたんです。だから、『これは挑戦していいな』と思えてやらせていただこうと思ったんです。『セックスちゃん』だけのカテゴライズだと、どうしても快楽に溺れる女性の話かと思われがちかと思うのですが、原作を拝見した時に声が出なくなったバックボーンがあったり、人とのつながりを持ちたいからセックスをするというちゃんとした理由が史恵にはあって、そういうものを読んでいくと、ただセックスが好きなのではなくて、いろいろな人が抱えている、“人には言えない悩み”を史恵が代弁しているような印象を受けました。そういう部分で作品自体にひかれたこともありつつ、本読みからすでに和気あいあいと笑えるような現場になる実感があったので、チャレンジさせてもらいました」

――ドラマは「セックスちゃん」「高学歴ちゃん」「不倫ちゃん」と3部作で描かれますが、印象的なシーンを教えてください。

増田 「もう印象的なシーンしかないですよ。夢に出てくるぐらい(笑)」

秋山 「私たち現場を見られていないんです。だからすごく楽しみ!」

増田 「普通は、真面目なシーンでもちょっとだけコメディーな要素を入れるという感じじゃないですか。でも、撮っても撮ってもずっとコメディーなんです。ずっとふざけているから、途中で『何の撮影しているんだろう?』みたいな(笑)」

秋山 「でもそれが真剣にやっているんだよね(笑)」

増田 「大の大人がずっと汗水垂らしながら変なことを真剣にやり続けていたから(笑)。特に、第1話から第4話は“セックス”という、描写としてはなかなか描きづらいものをスポーツや料理といった別のものに例えたりして、そこにいい照明をたいて、いい雰囲気で真剣に撮影していることが本当に面白かったです。『セックスちゃん』の描写も『(映像を)つなげてみるとどうなんだろう』と楽しみだったことがすごく印象的でした」

――しかも、そこにひと夏をささげているんですよね(笑)。

増田 「もう人生をささげた感じがありましたね(笑)。面白いので絶対に見てほしいです」

大久保 「私は、黒川さん(黒川国和/田村健太郎)のおうちに初めて遊びに行った時に、いろいろ理解できないことが起きるんですけど、そこから真湖の気持ちに迷いができた時に、黒川さんが会社に迎えに来てくれるシーンがあるんです。そこで田村さんが言うワードがすごく面白くて、放送されるのが楽しみです。台本を読んでいる時も『真湖ちゃん、本当にそれでいいの?』と思っていました」

秋山 「『本当に?』って思うよ。私も『真湖は何にひかれたんだろう』って本読みの時に思ってたもん」

大久保 「真湖ちゃんを演じている中で、彼女のかわいらしい部分やちょっとかわいそうな部分、悲しくて切ない部分をどんどん自分自身が愛せるようになってきて、不思議に感じるシーンもありましたが、彼女の愛し方もちょっとすてきだなと思えるようになりました」

秋山 「黒川さんは、“王道王子様”ではないんですよ」

増田 「ちゃんと王子様ではあるんだけど、不思議だよね(笑)」

――ドラマもいよいよ「セックスちゃん」が完結、そして「高学歴ちゃん」、「不倫ちゃん」へと突入します。今後の作品の見どころをお伺いできればと思います。

増田 「性に対する作品ということで、見る方も少し肩の力が入りそうな作品になっているのですが、本を読ませていただくと、かなり“アクティブなコメディー”だと思っていて。こういう時代にこういった性描写が多い作品に挑戦させていただくのは、それなりに人に言えない悩みを抱えている若者やアラサーが多いのではないかとも思っているので、そういう方たちにぜひ見ていただきたいです。『高学歴ちゃん』は、貴子が高学歴によって周りのいろいろな人から“完璧な人”を作り上げられていることに悩んでいるのですが、そういう周りからの『この子はこんな感じだ』とカテゴライズされちゃう女の子って意外と多いのかなと思って。そういう人こそ、どんどん掘り下げていくとチャーミングだったり、人間らしかったりするので、そういう部分がすごく面白く描かれているのではないかと思います。『不倫ちゃん』は、『セックスちゃん』での誰かとコミュニケーションを取りたくて、その手段がたまたま不倫になっただけで、(真湖は)史恵とすごく似たものがあるんじゃないかなと。シンプルに『愛されたい』という気持ちのある女の子だと思っています。3人とも最初の芝居の印象と一番最後に迎える役の印象が変わるので、そこの心境の変化も見ていて面白いんじゃないかな。それぞれのパートでいろいろな女子の悩みがいろいろな角度からコメディータッチで描かれて、すごく面白くなっているので、ご覧になられる方もあまり肩の力を入れずに楽しんでいただけたらと思います」

【プロフィール】

増田有華(ますだ ゆか)
1991年8月3日生まれ。大阪府出身。主な出演作に「イタズラなKiss2~Love in OKINAWA」(フジテレビ)、「先生のおとりよせ」(テレビ東京)、「全裸監督 シーズン2」(Netflix)、映画「ヒロイン失格」(2014年)、「Love song」(23年)、ミュージカル「EDGES」(20年)など。


秋山ゆずき(あきやま ゆずき)
1993年4月14日生まれ。埼玉県出身。主な出演作にドラマ「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」(TBS系)、「結婚できないにはワケがある。」(ABCテレビ)、「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」(日本テレビ系)、映画「カメラを止めるな!」(2017年)、「成れの果て」(21年)、「湯道」(23年)など。


大久保桜子(おおくぼ さくらこ)
1998年7月20日生まれ。神奈川県出身。主な出演作に「宇宙戦隊キュウレンジャー」(テレビ朝日系)、「日本沈没-希望のひと-」(TBS系)、「アカイリンゴ」(ABCテレビ)、「今夜、わたしはカラダで恋をする。Season2」(ABEMA)、「オオカミちゃんには騙されない」(Netflix)など。

【番組情報】

「●●ちゃん」
ABCテレビ
日曜 深夜0:55〜1:30 ※9月17日は放送時間変更の可能性あり
※放送終了後、TVerで最新話を見逃し配信
※DMM TVでは全話独占見放題

取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/蓮尾美智子

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