【MLB】レッドソックス、メッツ、ナショナルズ……シーズン終了を前に各球団でフロントに動きが

写真:レッドソックス・吉田の獲得に関わったブルーム氏が解雇に

シーズン終了まであと10試合ほどを残している状態だが、プレーオフ進出の可能性が失われた球団ではすでにフロント交代の動きが出てきている。今後も続々と情報が出てくることが予想されるが、ひとまず9月に入ってからの動きをまとめておこう。

まずは吉田正尚が所属するレッドソックスだ。レッドソックスは日本時間の15日、野球部門の最高責任者であるハイム・ブルームを解雇した。

ブルームは2005年から2019年までレイズで勤務した。2016年からは野球部門における最高責任者を務めたのち、2019年に10月にはレッドソックスで現職に就任。レイズ時代に低コストで強力なチームを作り上げた手腕を期待された。この間ブルームは高コストなスター選手の放出とマイナーリーグの充実という点で一定以上の成果を上げたが戦績としては4年間で267勝262敗と振るわず。チームは勝利を目指し、新たな野球部門の最高責任者を雇うことにしたようだ。

レッドソックスの野球部門最高責任者が交代するのは2012年以降で3度目。ここまで短期間で最高責任者が交代するのは異例で、同じ期間でこれほど交代している球団はほかにエンゼルスしかない。なお、次の候補としてはダイヤモンドバックスのGMで過去にレッドソックスで勤務したこともあるマイク・ヘイゼンの名が上がっていると報じられている。

次にメッツだ。メッツは日本時間13日、ブリュワーズで野球部門の最高責任者を務めていたデビッド・スターンズと5年契約を結んだことを発表した。スポーツネット・ニューヨークの記者であるアンディ・マルティーノ氏、USAトゥデイ紙のボブ・ナイチンゲール記者らがX(旧Twitter)で伝えた。

スターンズはかつてメッツやガーディアンズで勤務したのちアストロズのアシスタントGMに就任。その後ブリュワーズのGMとなり、現在に至るまで常勝チームを作り上げた。

MLBの移籍などを中心に扱うニュースサイトの「MLBトレードルーマーズ」によれば、元々ニューヨーク生まれのスターンズがニューヨークでの仕事を欲しがっていることは以前から知られていた。2020年にもメッツがスターンズを雇用する可能性があったものの、当時彼はブリュワーズの野球部門最高責任者に昇格することが決まっていたため実現しなかったようだ。

スターンズはこれまで決して多くはないブリュワーズの予算をやりくりし、コービン・バーンズやデビン・ウィリアムズのような優秀な投手を育成。また、トレードでもクリスチャン・イエリッチらを獲得するなど効果的な補強を行ってきた。次に向かうメッツはオーナーのスティーブン・コーエンのもと圧倒的な資金力を持つチームだが、どのような手腕を見せられるか注目される。

最後に、ナショナルズは現GMのマイク・リゾと複数年契約を結んだことが発表された。MLBトレードルーマーズのニック・ディーズ記者が報じた。リゾは現在62歳。30代前半のGMを雇う球団も少なくない中、2006年からナショナルズに勤め、2009年にGMとなったリゾは少し珍しい存在だ。

2019年に世界一に輝いて以来再建シーズンを送っているナショナルズだが、今季は何人かの有望株がシーズンを通して結果を残し、光明も見えてきたシーズンだった。リゾのこれまでの実績だけでなく、再建の道のりが評価されたと言えるだろう。

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