厳しい残暑が続く中、秋の味覚にも異変が起きています。これから出荷のピークを迎える栗。県内有数の産地・小布施町では春先の霜の被害とダブルパンチで深刻な影響が出ています。
栗をふんだんに使ったモンブランに…ゴロゴロと入ったおこわ。近年は様々なスイーツも誕生しています。秋の味覚の代表格・栗の産地として知られる小布施町で、生産農家を訪ねると…
■記者
「この木は収穫時期だが、一方でこちらの木は収穫が終わったわけではない」
実がなっていない。葉は生い茂っているものの肝心の実は、数える程度。ほとんど付いていない、異例の事態が起きていました。その原因は…4月に発生した霜です。
■平松農場・平松幸明さん
「こういう所に付くはずなんです。霜の害で芽がやられてしまったんで、そこが1回枯れちゃって次に伸びてきたんですけど、そこには雌花と雄花がついてなかった」
今月初めから収穫が始まった品種・「銀寄」。和栗の王様とも呼ばれ、ほんのり甘い味わいと鼻の奥に抜ける香り高さが人気です。平松農場ではおよそ1000本ある栗の木のうち半数を、この「銀寄」が占めます。
■平松農場・平松幸明さん
「どのくらい被害が出ているか見当もつかなくて、1割2割良くて3割ぐらい…減じゃないですよ(笑)ぐらいしかついてないかな」
被害をもたらしたのは霜だけではありません。
■平松農場・平松幸明さん
「高温・少雨は実にダイレクトに影響があって、ちょっと小ぶりですね」
大きさに加え、重さで取引される栗は1個につき数グラム小さくなるだけでも、まとまった量では大きな差に。
ちりも積もれば山となる…とはまさにこのことです。表面にごつごつしたしわが出ているのも、雨が少なかったためだと言います。ただ、影響は必ずしも悪いことばかりではないといいます。
■平松農場・平松幸明さん
「雨が無かった分、実はおいしく出来上がっていると思うんですけど。(これから)中生種・晩生種が落ちてきますのでそれはおいしいと思いますね」