栃木県内地価 平均31年連続下落もLRT沿線では需要増

 一般の土地の取引の指標となる今年(2023年)7月1日時点の県内の土地の価格・「地価」の調査結果が19日に公表され、住宅地、商業地、工業地のすべての用途の平均は31年連続で下落しました。一方で宇都宮市と芳賀町を結ぶ路面電車、LRT・ライトラインが先月(8月)末に開業し、沿線エリアの価格上昇が目立ちました。

 調査は住宅地や商業地、それに工業地など県内447地点で行われ、住宅地は31年連続、商業地は32年連続でそれぞれ下落している一方で、工業地は2年連続で上昇しました。すべての用途の平均は31年連続下落となりましたが、下落率は前の年より縮小し、工業地の上昇率は拡大しています。林地を除く継続地点で地価が上がったのは、去年より36地点増えて109地点、横ばいは10地点増えて70地点、下落は8地点減って250地点でした。

 住宅地で最も価格が高かったのは、2年連続でJR宇都宮駅東口に近くライトライン沿線の宇都宮市東宿郷3丁目となり、1平方メートルあたり14万9,000円でした。この場所は、前の年と比べた上昇率の順位でも1位でした。一方で、住宅地の市と町別の下落率の順位では、人口減少、高齢化が進んでいる中山間地域の下落が続き、需要が堅調な宇都宮市より南のJR宇都宮線の沿線地域との二極化が継続しています。商業地で最高価格は、2年連続で「JR宇都宮駅東口ロータリー」のすぐそば宇都宮市東宿郷1丁目になり、1平方メートルあたり40万1,000円でした。前の年と比べた上昇率でも最も高くなりました。工業地では、宇都宮市平出町の1平方メートルあたり2万7,500円が最高で、上昇率はLRTの終点付近の芳賀町芳賀台が1位でした。

 JR宇都宮駅東口の大規模開発が進んだことや、LRT・ライトラインが先月末に全線で開業したことにより、用途を問わず沿線エリアの需要が高くなっているということです。

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