サルがイワナ捕獲の瞬間!上高地の干上がりそうな川で… 北アルプスでも水不足 【長野】

北アルプスの山小屋が深刻な水不足に陥り、飲み水の提供をとりやめる事態になっています。川の水も少なくなったため、上高地ではサルが魚をつかめて食べています。

今年も紅葉の季節がやってきます!名所として知られる涸沢カールなど、北アルプスは屈指の紅葉スポットです。そんな北アルプスの玄関口・松本市の上高地。平日でも、多くの観光客や登山客の姿がありました。

■記者
「こちらの登山相談所には涸沢ヒュッテと涸沢小屋の連名で水不足と書かれた紙が貼られています」

■登山相談所の相談員
「何十年と山に登っているけど涸沢の水が枯れたっていうのは初めてですね」

北アルプス・涸沢カールにある山小屋・涸沢小屋と涸沢ヒュッテ。水不足に陥り、15日から飲み水の提供を取りやめ、節水を呼び掛けています。いつもより多めに飲み物を持ってきた人もいました。

■登山客
「ちょっと重いですけど行ってなかったらどうしようもないのでそこは気を付けましたね。3㎏分ですね3リットル分なので」

涸沢ヒュッテの飲み水を提供する水場はガムテープが貼られ、使えなくなっています。

■涸沢ヒュッテ・山口浩一専務
「劇的な冬の雪の少なさが一番最初の原因であとは夏の降水量の少なさが響いている」

雪や雨が少ないことが影響し、水源から流れ出る水が減っています。こちらは20日朝、山口さんが槍沢から上高地へ流れる梓川で撮影した映像です。

■涸沢ヒュッテ・山口浩一専務
「だいたいこのあたりで水深が40㎝~50㎝の川・清流が流れている場所だが、もう干上がりそうになっちゃって」

干上がりそうな川で何かを探すサル。すると…イワナを捕まえ、食べ始めました。

■涸沢ヒュッテ・山口浩一専務
「(普段は)きれいな川が流れているなという感じなのでサルは川を眺めているだけしかできないんですけどね…」

水不足だからこそイワナをつかまえられる、ということのようです。
紅葉シーズンを前に陥った水不足。涸沢ヒュッテは、急遽、ヘリで飲料水を荷上げするなどの対策をした上で、節水を呼び掛けています。

■涸沢ヒュッテ・山口浩一専務
「涸沢の紅葉は外すに外せないものだと思う。水を持ってきたりという手間はあるがぜひ一度はご覧になって頂きたい」

取材中、食料などの物資を山小屋に届けるヘリの姿がありました。実はこれも山小屋にとっては悩みの種だそうです。標高3000メートル以上の北穂高小屋や槍ヶ岳山荘では今年、天候が悪くヘリが飛べず、食料が届ないこともあったそうで、食料が足りない状況になっているということです。紅葉シーズンを前に山小屋は例年と違う状況になっています。

© 長野朝日放送株式会社