丹沢ジビエで「麻婆豆腐の素」 シカ肉使いレトルト第1弾 秦野たばこ祭会場で試験配布

秦野商工会議所などと協力し、レトルト食品「秦野産鹿肉使用ジビエ麻婆豆腐の素」を完成させた北京館・三浦社長=秦野市鈴張町

 丹沢に多く生息するシカやイノシシの肉など、ジビエを活用した料理を新たな観光資源と捉える秦野商工会議所が中心となり、ジビエのレトルト商品第1号となる「秦野産鹿肉使用ジビエ麻婆(マーボー)豆腐の素」を完成させた。23、24日に神奈川県秦野市内で開催される秦野たばこ祭会場での試験配布などを経て、10月から販売する。

 今後はレトルト食品の種類を増やして新型コロナウイルス禍後の新たな売り上げの柱とするとともに、ジビエの消費拡大を目指す。

 同商議所の観光飲食部会などの取り組みで、2021年7月に解体された精肉が市内で買えるようになり、17店舗がジビエ料理の提供を始めた。家庭の食卓にもジビエを普及させたいと、市内店舗のジビエ料理のレトルト化を企画した。

 第1号として着手したのが、創業52年の中国料理店「北京館」(同市鈴張町、三浦義政社長)のシカ肉を使ったマーボー豆腐。さっぱりした赤身で、鉄分が多く高タンパクのシカ肉を活用したメニューだが、100度以上の加熱や加圧でレトルト加工するため、当初は店内での調理品と味が変わってしまったという。またラー油などの油分が多く、レトルトが密閉しにくくなる課題もあったが、試作を重ねてクリアし、600個の製品化にこぎ着けた。

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