《釣れるワーム》名作ワームの秘密を大公開「イマカツ」

形状、アクション……どこまでも独創的なソフトベイトの正解。あまたに存在するワームには、そのすべてにストーリーがあると言ってもいい。開発者だけが知る事実、使って初めてわかった釣獲能力や発明的なメソッド。今こそ誰も知らなかった名作ワームに隠された裏話を明らかにする。

●文:ルアマガプラス編集部

― Profile

IMAKATSU イマカツ

今江克隆(いまえ・かつたか)
JBバストーナメント黎明期より一線で戦い続けるコンペティション・アングラー。IMAKATSU代表として多くの名作ルアーを発表し、発明的なアイデアでユーザーを驚かせる一方、競技者として今なお進化すべく研鑽を止めない現役のレジェンド。

この記事はルアマガ10月号から抜粋しています。

ルアーマガジン2023年10月号[雑誌]

― 開発秘話など知られてこなかった物語

JBトップ50を戦い続けている伝説級のトップアングラーとして知られる今江克隆プロ。

IMAKATSUブランドから自身のアイデアを製品として発表しているが、多くの製品をリリースするなかで、今江さんにとって強い印象を持つワームとなると、ここに紹介する3アイテムになるという。

「やっぱり、自分の中で強い印象として残るものは、他にないユニークな特徴を持った製品になるよね。思い浮かべようとすると、どうしても普通じゃないものが頭に浮かぶよ(笑)」

決して最新の製品でなくとも、それらは今でもバスを魅了する威力を持ち、のちにフォロワーが発生したワームばかり。

「トーナメントで勝つために必要な武器としての威力を意識しているのもあるけれど、釣れるルアーしか残らないっていうのもある。例えばジャバロンはIMAKATSU初期のワームになるけれど、いまだにラインナップから外れないわけだし。ベストセラーになるルアーはずっと釣れるパワーを持っているし、色褪せないよね。今回はジャバロン、ステルススイマー、イールクローラー10インチの3つを紹介するけれど、どれも試合で結果を出した自分の武器と言えるワームだね」

ステルススイマー

イマカツ(Imakatsu) ステルススイマー 3Dリアリズム (エコ対応品) #S-485 3DRレインボートラウト 160mm

SPEC

長さ:160mm
適合ロッド:7ft前後MHパワー
適合ライン:フロロカーボン13〜16lb

― 究極のテーマ フックが見えないことが生むメリット

「これは自分の中で縦型のシャッドテールなんだよね。横に平たいシャッドテールはあるけれど、縦に平たいものは他にない。シャッドテールはテールのパワーがあるから、縦型のボディを泳がせるのは難しいんですよ。それ以外でも、どこから見てもフックが見えないのがこのワームの特徴。これまでトーナメントでもトップウエイト級のスコアを出したりするなど、結果がルアーの威力を物語っている。だから自分にとって最終兵器的なワームです。近いところで言えば弥栄ダムの試合では2位のウエイトだけれど6kg以上のスコアをマークしているし。とにかくハマったときの威力が爆発的なんです。このワームは独自のステルスフックシステムによってフックが見えないのが強みです。自分の中では実績も含めて圧倒的に信頼しているワームですね」

イールクローラー10in

IMAKATSU(イマカツ) ワーム イールクローラー 10インチ エコ対応品 #S-234 クリアグリーンパンプキンブルーパールベリー

SPEC

長さ:4.8、5.5、7、10in

― 巨大ロングワームの元祖が持つ破壊力の凄さ

「今でこそロングワームは誰もが使うけれど、このボリュームを日本でリリースしたのはこのワームが最初なんじゃないかな」今江さんがそう語るのが「うな10」ことイールクローラー10inだ。「このワーム、はじめはあまり売れなかったんだけれど、青野ダムで60アップを釣った動画が流れてから一気にブレイクしたね。弥栄ダムの試合でもトーナメントレコードになるバスを釣って、ロングビッグワームというカテゴリーが瞬時にユーザーに広まったんです。その威力はスイムベイト級の集魚力であり、自分の中で強烈な印象として刻まれているワームですね。使い方はほぼ100パーセントノーシンカーワッキー。重さがあるので、ラインも13lb以上を推奨します。とにかく60cmオーバーのデカいバスには強烈に効くんです。デカバスに反応させるワームとしてはトップクラスの威力があると思います。

ジャバロン140

ジャバロン140(イマカツ)

SPEC
長さ:140mm
適合フック:オフセット4/0

― イマカツ誕生の頃から売れ続ける名作ワーム

「イマカツのラインナップでももっともロングセラーであるルアー。爆発的に売ってきたルアーだけど、発売当初と変わらない威力を持っている唯一無二のルアーだね。このワームはスイムベイトでありながら、使い手が泳がそうとするより、ドリフトさせたり放置やズル引きなど、スイムベイトよりもワームっぽい使い方のほうが釣れると言う不思議なルアー。動くルアーだから、動かしたくなるんだけれど、ワームとしての性質を生かす方がいいね。おすすめはネイルリグやフリーリグ(シンカー14〜17g)。ワームがフリーで動く時間と距離を稼ぐためにはシンカーを重めにしたほうが効果的です。ノーシンカー、フリーリグ、ヘビーテキサスがこのワームの威力を強力に発揮する使い方です」

― シバーアクションが効くジャバテキメソッド

ジャバロンの威力を引き出すシークレットとして今江さんが実践していたのがジャバテキと言うメソッド。ジャバロンをヘビーテキサスで高速巻きする使い方だ。「かなりの速巻きで使うんだけど、ビリビリっとした独特なシバーアクションが出て、狂ったように食ってくる。水深1m程度のリザーバーのバンク沿いなどで、たまにボトムにタッチする程度の速さで巻くとすごく釣れる使い方です」

この記事はルアマガ10月号から抜粋しています。

ルアーマガジン2023年10月号[雑誌]


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