【MLB】 7連勝中のパドレス 奇跡のプレーオフ進出へのシナリオは?

写真:2度目のサイヤング賞が近いスネルは、パドレスをプレーオフに導けるか

スター軍団パドレスの2023年は期待外れのままで終わらないかもしれない。

フアン・ソト、フェルナンド・タティス・ジュニアをはじめとするスーパースターを球団史上最高額のペイロールで揃え、世界一の有力候補にも数えられていたパドレスだったが、今年はこれまで負け越し中。8月末には負け越し11を記録するなど、パドレスのシーズンは失望に満ちたものだった。

ところが、ここにきて潮目が変わってきた。

パドレスは現在7連勝中。75勝78敗とし、ワイルドカード圏内に4ゲーム差に迫っているのだ。

状況は依然として厳しく、『ファングラフス』のプレーオフ進出確率は0.6%に過ぎない。しかし、不可能ではない。パドレスの奇跡のプレーオフ進出へのシナリオを『MLB.com』がまとめている。

まず前提として、パドレスは勝ち続けなければならない。残り9試合に全勝して16連勝するぐらいの勢いが求められる。もし残り9試合で8勝1敗ならば83勝79敗だが、7勝2敗ならば82勝80敗となり、やや心もとない。

スケジュールはパドレスの味方となりそうだ。まずは中地区最下位のカージナルスとの3連戦、そしてワイルドカードを争うライバルのジャイアンツと3連戦。ジャイアンツは9月に入ってから低調で、ライバルを叩ける直接対決が最高の時期に訪れたと言える。そしてシーズン最後を締めくくるのは低迷中のホワイトソックスとの3連戦だ。

そして、同じ成績でシーズンを終えた際のタイブレーカーも比較的有利だ。ワイルドカードを争うライバルのうち、マーリンズ、レッズ、ジャイアンツに対してタイブレーカーを持っており、実質的にこれらのチームには成績で並べば上回れる形となる。一方で、カブスとダイヤモンドバックスにはタイブレーカーを持たれており、これらのチームには並ぶだけでは十分ではない(もっともワイルドカード2位のダイヤモンドバックスとは6ゲーム離れており、ダイヤモンドバックスを蹴落とすシナリオは起こり得そうにない)

最終的に最も重要な要素とも言えるのが、ライバルが転けることだろう。

タイブレーカーで負け、6ゲーム離れているダイヤモンドバックスと、直接対決でパドレスが間違いなく追い落とさなければならないジャイアンツを除外すれば、ライバルはカブスとレッズとマーリンズの3チーム。

タイブレーカーの関係上、パドレスが83勝でフィニッシュしたとすれば、レッズとマーリンズは83勝以下、カブスは82勝以下でシーズンを終えなければならない。

直近13試合で10敗のカブスの残り相手はロッキーズ、ブレーブス、ブルワーズ。パドレスとしては現在79勝74敗のカブスが3勝6敗以下でシーズンを終えるシナリオが望ましい。

79勝75敗のレッズの残り相手はパイレーツ、ガーディアンズ、カージナルスと比較的易しい。パドレスがタイブレーカーを持っていることもあって、レッズが4勝4敗以下でフィニッシュするというシナリオが理想になる。ここ2週間で6勝7敗と負け越し中のレッズにまだブレーキがかかるか。

ここ最近息を吹き返して79勝74敗としているマーリンズは、ブルワーズ、メッツ、パイレーツと比較的易しいスケジュールではある。しかし、最後の2シリーズはいずれもマーリンズが苦手とするロードでのシリーズで、パドレスが理想とする4勝5敗以下でのフィニッシュは不可能ではない。

条件を整理してみても、パドレスがほぼ全勝かつライバルが軒並み負け越しフィニッシュすることが前提となっており、状況はかなり厳しい。スター軍団パドレスは9月のカオスを引き起こすことができるだろうか。

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