【MLB】 ナ・リーグのワイルドカード争い 大穴となるのはマーリンズ?

写真:絶好調の鈴木誠也はカブスを導けるか

シーズン残り1週間となり、プレーオフ争いも大詰め。そうなってもなお、ナ・リーグのワイルドカード争いは未だに混戦模様だ。

ワイルドカード1位のフィリーズはプレーオフ進出へのマジックナンバーを1とて進出目前。破竹の勢いで連勝を重ねていたパドレスも3位カブスの復調によってプレーオフはほとんど絶望的となった。さらに4.5ゲーム差離されているジャイアンツも厳しい状況にあるだろう。

現実的にレースに踏みとどまっているのは0.5ゲーム差のリードで2位につけるダイヤモンドバックス、3位カブス、1ゲーム差でそれを追う4位マーリンズ、さらに2.5ゲーム差のレッズの4チーム。この4チームが3ゲーム差でひしめき合う状況で、シーズン最後の1週間を迎える。

勝敗が並んだ際に順位を決定するタイブレーカー(第一に直接対決、第二に同地区内の成績、それ以降は割愛)や、残りのスケジュールを加味すると、プレーオフ進出の穴となりそうなのが1ゲーム差で追いかけるマーリンズだ。

1ゲームでプレーオフ圏内を追っているとはいえ、マーリンズはスケジュールの楽さとタイブレーカーでライバルたちに優位を誇る。シーズン残り6試合はいずれも勝率5割未満のメッツ、パイレーツとの対戦。さらにDバックス、カブス、レッズの全チームに対してタイブレーカーを保持している。

懸念となるのが離脱者による戦力低下。昨年のサイヤング賞右腕サンディ・アルカンタラと20歳の有望株右腕ユーリー・ペレスがシーズンアウトとなってしまった。ヘスス・ルザードとブラクストン・ギャレットという優秀な先発左腕が健在なものの、3番手以降はかなり不透明な状況に陥っている。

逆に最もタフなスケジュールを強いられるのが、3位カブスだ。カブスはロードでブレーブス、ブルワーズの2つの首位チームとの6試合を残している。さらにマーリンズ、Dバックスに対してはタイブレーカーを持たれており、予断は許さない状況にある。首位チームといえど、地区優勝へのマジックを1としているブルワーズが、プレーオフを見据えて先発投手を温存する可能性もあるかもしれないが、カブスとの1、2戦目に予想されるブランドン・ウッドラフとフレディ・ペラルタはそのまま中4日でワイルドカードシリーズの2、3戦目に先発できるスケジュールとなっているため、あまり期待できない。

ポジティブなポイントとしては3連勝中と調子を上げている点。ロッキーズとのシリーズの前まで4カード連続負け越しを喫していたカブスだったが、ロッキーズをスウィープして息を吹き返した。直近2登板で炎上中だが、エースのジャスティン・スティールの先発が2回残っており、ここに全てをかけたい。

2位Dバックスは7試合を残しているのが強みになりそうだ。その内、ヤンキースとの1試合、ホワイトソックスとは3試合、最後にアストロズと3試合と半分以上がプレーオフ争いから脱落したチームとの対戦になる点も有利だ。鍵になるのが絶対的な1、2番手ザック・ギャレンとメリル・ケリー以外でどれほど落とさないかということ。不安も残る3番手以降のザック・デイビーズ、ライン・ネルソン、ブランドン・フォートは全員がWソックスとのシリーズに先発することが予想され、彼らが格下のチーム相手に取りこぼさないかが鍵を握る。

2.5ゲーム差でプレーオフ圏内を追うレッズは、相手がガーディアンズ、カージナルスと比較的楽な相手とはいえ、残り5試合しかない。今日の勝利で辛くもパイレーツに対してのスウィープは逃れたものの、一昨日は9対0から逆転負けを食らうなど調子も良くない。残り試合が少なく、中日ができるおかげで絶好調のエース、ハンター・グリーンを2回先発させることも可能になるが、まずは5戦全勝が前提となる。その上で、タイブレーカーを保持するカブスなどライバルの敗戦を願うしかない。

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