地域脱炭素に向け山口市 中心市街地でEVカーシェア事業

 二酸化炭素の排出削減に取り組む地域を環境省が支援する「脱炭素先行地域」に選ばれた山口市で、9月1日から来年3月末まで、電気自動車(EV)3台のカーシェアリング実証事業が行われている。運営事業者はトヨタレンタリース山口で、同社による「TOYOTA SHARE」サービスを活用する形で実施される。

 3台のうち2台は山口市役所に設置。5人乗り(bZ4X)と2人乗り(C+pod)の電気自動車を、平日は公用車として使い、土日と祝日には一般の人に利用してもらう。

▲山口市役所に設置されたEV2台

 もう1台は、米屋町商店街の米屋町天神駐車場(山口市米屋町2-32)に昨年10月から設置してある2人乗りだ。この車両は、全日利用可能。

 利用するにはまず、「TOYOTA SHARE」スマートフォンアプリのダウンロードと会員登録が必要。免許証等本人確認も必須で、登録には十数分から1週間程度かかる。利用予約はスマホアプリから。利用時間、ステーション・車両、オプションなどを選択して予約し、そのスマホが車のキーにもなる。料金は、2人乗りが15分110円からで、5人乗りが同220円から。実証事業のため、通常の半額程度で利用できる。

 山口市は、2050年の脱炭素社会実現に向けて、2021年12月に「山口市ゼロカーボンシティ宣言」を行った。さらに、2022年3月に策定した「山口市スマートシティ推進ビジョン」の重点プロジェクトの一つに「地域脱炭素推進プロジェクト」を位置付け、2022年11月には県内初の「脱炭素先行地域」に選定された。今回の実験では、新本庁舎の整備に向けた公用車運用の検討や、近隣に住む人たちが「セカンドカー」を気軽に利用できる環境づくりによる「まちなか居住」の促進などにつなげたい意向だ。

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