パドレスが大幅な年俸総額削減を断行か ソトの放出に動く可能性も

日本時間9月26日、「サンディエゴ・ユニオン・トリビューン」のケビン・エーシー記者はパドレスが今オフ、大幅な年俸総額削減に動く見込みであることを伝えた。パドレスはここ数年で年俸総額が増大しており、2018年には1億400万ドルだったが、今季は2億5300万ドルと約2.5倍に膨れ上がっている。複数の関係者の話によると、パドレスは現在、債務返済比率に関するMLBの規定を違反した状態となっており、年俸総額を2億ドル前後まで縮小して2024年シーズンを迎える計画が立てられているという。

今季のMLBでは、年俸総額トップ3(メッツ、ヤンキース、パドレス)がいずれもプレーオフ進出を逃しただけでなく、3チームとも勝率5割を下回ってシーズンを終える可能性がある。やみくもに資金を投じ、スター選手をかき集めるだけでは、今のMLBでは勝てないということが事実上証明されたのだ。そんななかで、パドレスが適正な予算規模でのチーム作りを進める方向へ舵を切ったのは理解できる。

エーシー記者は、パドレスが年俸総額を2億ドル前後まで削減したとしても「球界のトップ10に入るペイロールを抱え、主力選手の大半はキープできるだろう」と記している。ただし、今季終了後にFAとなるブレイク・スネルとジョシュ・ヘイダーを引き留めるのは困難であり、場合によってはフアン・ソトのトレード放出を検討しなければならないかもしれない。また、A・J・プレラー編成本部長とボブ・メルビン監督もその立場を保証されているわけではないという。

スネルとヘイダーに加えて、ドリュー・ポメランツ、リッチ・ヒル、ルイス・ガルシア、ゲーリー・サンチェス、崔志萬(チェ・ジマン)、ギャレット・クーパーらがFAとなるため、単純計算で5000万ドル以上の資金が浮くことになる。とはいえ、彼らがいなくなれば年俸総額削減完了という単純な話ではなく、彼らの代わりとなる選手を確保しなければならない。つまり、プレーオフ進出を狙えるロースターを築くためには、5000万ドルよりも大きな年俸総額削減が必要となるのだ。

エーシー記者は今後パドレスが直面する3つの課題を挙げている。1つ目はソトの処遇だ。ソトは来季が年俸調停期間のラストイヤーとなり、年俸は3000万ドル前後まで上昇する見込みとなっている。ソトをキープする金銭的余裕はあまりないが、ソトを放出できるほど戦力面での余裕がないもの事実。パドレスとしては難しい判断を強いられることになるが、契約延長や再契約の見込みがないのであれば、トレードで放出し、安価な即戦力を複数人獲得するのがチーム状況にフィットしそうだ。

2つ目は来季の契約オプションを保持しているセス・ルーゴ、ニック・マルティネス、マイケル・ワカの処遇だ。先発でやれることを証明したルーゴは年俸750万ドルの選手オプションを破棄してFAになることが確実視されている。マルティネスとワカは、パドレス側がそれぞれ2年3200万ドルのオプションを持っており、パドレスがオプションを破棄した場合、マルティネスに2年1600万ドル、ワカに3年1850万ドルの選手オプションが与えられる。パドレス側がオプションを破棄した場合、両選手ともFA市場に出ていく可能性が高く、パドレスはスネルとヘイダーに加えて、ルーゴ、マルティネス、ワカまで失うことになるかもしれない。

3つ目はノンテンダーFAに関する決断だ。パドレスではソトのほかに、トレント・グリシャム、ティム・ヒル、スコット・バーロー、オースティン・ノラらが年俸調停権を持っている。打率1割台のグリシャムやノラは年俸に見合った働きをしているとは言い難く、年俸総額削減の一環としてノンテンダーFAという決断が下されても決して不思議ではない。

マニー・マチャド、ザンダー・ボガーツ、ジョー・マスグローブ、ダルビッシュ有、フェルナンド・タティスJr.といったチームの骨格は来季も変わらないため、パドレスは残りの資金を使って、彼らの脇を固める戦力を集めることになる。「より安価でより確実な戦力に置き換えることは十分に可能」との声もあるようだが、来季に向けたパドレスのチーム作りは上手くいくのだろうか。

The post パドレスが大幅な年俸総額削減を断行か ソトの放出に動く可能性も first appeared on MLB.JP.

© MLB Advanced Media, LP.